第7録 ギルドへの報告と漸くの休息
前回のあらすじ
・冒険者登録
・受付嬢さんの破壊力
今回はようやく一息付けます
ロイドさんに呼ばれた俺は、マールさんたちと共にギルド裏手の倉庫のような場所にやって来た。
そこには、ロイドさん達太陽の剣のほかに、ツルッパゲの……んんっ!スキンヘッドでガタイのいいオッサンと、ひょろっとしたメガネの優男が立っていた。
「よし! 来たな! ロイドとヴァージニアにから大体話は聞いたが、お前がマキジか!?」
ツルッ……いやもうツルッパゲでいいか。
近くに居るのに凄いボリュームで話すのやめて欲しい……
「はい、そうです。マキジ・ヨコシマと言います」
取り敢えず無難に自己紹介しておく。
「おう! 俺はこのギルドのマスター、ロドリゲスだ! こっちのひょろいのは副ギルドマスターのボリス! 宜しくな!」
「……どうも」
……ボリスさんはロドリゲスさんと違って寡黙っぽいな。バランスが取れてるというかなんというか……
「はい、宜しくお願いします。先程こちらのギルドに登録させて頂いたので、お世話になるかと思います」
「そうか! まぁ頑張れよ! しかし堅っ苦しい話し方しやがるなぁ! もっと砕けていこうぜ!」
「は、はぁ……」
どうしよう、ちょっと面倒くさい人だわこの人。
「……ロドリゲス、本題に入ろう」
「ん!? お! そうだな! マキジ! 悪いがお前が【ストレージ】とやらに仕舞ってるゴブリンの死体やらをここに出して貰えるか!」
……急だな……一応これは太陽の剣のモノなんだけど……
そう思ってチラッとロイドさんに目を向けると、黙って頷いた。
「……わかりました。じゃあここに出しますね」
そう言うと俺は、【ストレージ】に仕舞ってるゴブリンの死体や装備を取り出す。
……【ストレージ】は便利なスキルだ。MPの現在値は減るが、MPがある限りは、異空間に無生物を収納しておける。
大きさや量に応じて減る量は増減するようだが、ゴブリン20数体
とその装備をぶちこんでも20位の減少量なので、あまり気にしなくても良い。
次いでに【阻害】は特殊なスキルらしく、使用にMPは使わない。
よって俺は【ストレージ】にMPを割いてもそこまで困らないのだ。
因みに、【ストレージ】の使用感覚はゲームのような感じで、仕舞いたいモノは触れて、収納を意識する。出したいモノはウィンドウのようなモノから選択して出す。といった形。
……余談だが、ウィンドウのようなモノは周りから見えないので、俺は空中を指でポチポチする変な人に見える。ある意味最大のデメリットと言えなくもない……初めて使ったときの太陽の剣の目線が今も忘れられない。
「……よし、これで全部ですね」
「……ほう」
……出てきた量を見て、ボリスさんが怪しくメガネをクイってするのが見えた。怖いよ……
「……おぉ! すげぇ量だな!? ビックリしちまったぜ!」
ロドリゲスさんはなんていうか、分かりやすいね……
「ロイド達の話だけじゃ確証は無かったが、これを見りゃあわかる! 確かにゴブリンの集落が黒狼の森にあるとみて良さそうだ!」
「……そうだな。結構規模が予想される。今から討伐に向けて動く必要があるな……」
ロドリゲスさんとボリスさんが話し始めると、ロイドさんがやって来た。
「マキジ、ゴブリンの運搬本当に助かった。やはり物証があるのとないのではギルドの動きが変わって来るからな」
「いえ、報酬は昨日貰いましたしね。手持ちが無かったのでこっちのほうが助かったくらいですよ」
「そう言ってもらえると助かる」
「おぉい! ロイド! ここにあるゴブリンの死体と装備類は買い取りでいいのかぁ!?」
向こうの話は一旦終わったようだ。ロドリゲスさんが買い取りについてロイドさんと話し始めた。
「……さぁ、私達は先に戻るわよ。買い取りに関してはロイドに任せておけばいいし」
ヴァージニアさんが入れ替わりでこちらにやって来た。
「ギルドホールにですか?」
戻ると言われても、俺は思い当たる場所がそこしか無いんだよね。
「違うわよ。私達太陽の剣のセーフハウスよ」
そう言ってヴァージニアさんはこちらにウィンクを飛ばしてきたのだった。
※※※※※※※※※※
ヴァージニアさんに先導されてロイドさんを除く太陽の剣のメンバーと大通りを歩きながら、途中の露店で夕食を買い食いしながら進む。
……串焼きとかがメインだった訳だが、味付けは塩のみ。
どうやら香辛料等は高いか流通がないのか、使ってるお店は少なくとも食べた中ではなかった……
胡椒がこんなに恋しくなるとは……
そんなこんなで大通りを少し入ったところを歩くと、太陽の剣のセーフハウスについた。
小さめの一軒家でお庭もある。因みに賃貸らしい。
「マキジさん、遠慮なさらずどうぞ! 自分のお家だと思ってくださいね!」
「小さいけど風呂もあるっすよ!」
マールさんとライルくんに案内されて家に入る。
「私は先に体洗うから、二人とも空いてる部屋にマキジくん案内してあげてね」
「はい!」「了解っす!」
ヴァージニアさんは脱衣場へ、俺は二人にそのまま二階へと案内された。
「角になって、少し小さい部屋ですけど、ベッドもあるのでゆっくりしてくださいね!」
「今日はこのまま解散みたいな感じなんで、また明日っよ!」
二人と別れて部屋に入る。
体などは【クリーン】をかけるからとお風呂は断ってあるので、今日はここまでになるだろう。
「はぁ……なんていうか怒濤の一日だった……」
朝から異世界の森で目覚めて、太陽の剣と出会って、森を脱出したら街に入って、ギルドで絡まれて冒険者になった。
……我ながらホントに怒濤過ぎる。
「まぁ、何とか生きてここまで来たな……」
これからどうなるか……太陽の剣と一緒に冒険するのか、はたまた一人でまず頑張るのか……他にも道はあるかもしれない。
だとしても、先ずは生きてここまで来た。取り敢えずはそれで満足しておくべきだろう。
「さて……明日から……どう……す……」
安心したのか急に睡魔が襲ってきた。
今日はもう眠ることにしよう……
続きが気になるぞい!な貴方も、つまらんのぅ…な貴方も、評価して行ってくれると、作者が泣いて喜びます。




