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第100録 シャルロッテさんと一時の別れ

前回のあらすじ

・ようやく帰路に

・驚きの討伐賞金

 

「ようやく【レムリアリア】かぁ……行きよりも遠く感じたよ」

「ですね。中々に帰りの一週間は辛かったです……」

「そうでござるなぁ。魔物に襲われることなくのんびりと帰ってきてしまったでござるから……あれ? それでいいのでは?」


 野営地を出て一週間。【レムリアリア】から飛竜(ワイバーン)討伐に出掛けたときと同じ時間をかけて、俺達は首都へと帰ってきていた。

 道中はやはり何事もなく、ある意味行きよりもやることが無さすぎて、今回の旅で一番辛かったかもしれない。


「すっかり大通りは飛竜(ワイバーン)討伐の話で持ちきりのようですね」

「みたいですね。出発したときよりも活気があるように思います」

飛竜(ワイバーン)が来てしまった時のために~食料品を大量に買っていた軍が動かなくなったからか~お店の食べ物の値段も落ち着いてきたみたいね~」


 街の大通りは飛竜(ワイバーン)の討伐に安堵している人も多く、高騰気味だった食料品の値段も徐々に落ち着いてきているようだ。


 そんな通りを見ながら、俺達の馬車は今、ギルドに向かって進んでいる。


【でもシャルロッテ、本当にこんなにのんびり私達をギルドまで送ってて大丈夫? 【教会】へ急いで報告に行かなければならないんじゃ……】

「大丈夫ですよ。確かに【教会】の幹部辺りは私の報告を首を長くして待っていると思いますが、逆に言えばそれだけです。どうせなら後、数刻待たせても問題ありませんよ」


 本来なら、俺達は街の入り口で馬車を降りるつもりだった。しかし、シャルロッテさんがどうせならと、わざわざギルドまで送って行くと申し出てくれたのだ。


「まぁ、街の入り口からギルドまではそこそこ距離がありますから、実際助かりましたよ」

「そう言って貰えると進言した甲斐があるというものですね」

「あ~、ギルドが見えてきましたよ~」


 大通りを進む馬車の先には、久し振りに見る石造りの建物が見え始めていた。


 ※※※※※※※※※※


「では、私はここでお別れですね」

「そうですね……出会ったときはどうなるかと思いましたけど、今は一緒に飛竜(ワイバーン)討伐ができてよかったと思ってます」


 シャルロッテさんがギルドの前で馬車を停めると、俺達はそれぞれ彼女へと別れを告げる。


「シャルロッテさん! 前にでて戦う姿、とっても凛々しかったです! 機会があれば一緒に!」

「ふふふ~、何時でも歓迎するわよ~?」

「騎士と共に戦うのは初めてでござったが、悪く無かったでござるよ。また共に戦えることを楽しみにしているでござる」

【【教会】の話、また聞かせてほしい。待ってる】

「……はい! 私もまた、必ず皆さんと共に戦える機会があることを祈っています!」


 ……皆、何だか随分と長く会えなくなるみたいな口振りだけど……


「……皆、【竜殺し】の称号授与でまたすぐに会えるよ?」


 恐らく、一週間位後には。


「もう、マキジくんはわかってないですね。こう言うのは雰囲気が大事なんです! 雰囲気が!」

「全く、主殿は空気が読めないでござるなぁ」

「えぇ……? そんなに……?」


 いやまぁ、確かにさっきの雰囲気だと俺もそれっぽいこと言った方が良かったんだろうけどさ……そこまで言わなくても……


「ふふっ、皆さん楽しそうで、本当にこのまま居てしまいたいところですけど……行きますね」


 そういうと、シャルロッテさんは一人荷台に座り直し、俺の方を向いた。


「マキジ、私がこうしてここにいられるのは、きっとあなたのお陰です。改めて、感謝を」

「いいんですよ、お礼なんて。俺もしなきゃいけないことをしただけですから」

「……マール殿からも聞いていましたが、ホントにお礼を受け取らないんですね……でしたら」


 俺がお礼はいらないと言うと、何やらこちらを手招きするシャルロッテさん。

 何だろうと近付くと、素早く俺の手を取って……


「……ちゅっ」

「へあ!?」

「「なっ!?」」

「あらあら~」

【……むむむ】


 ……俺の手の甲に口付けを、した。


「……私、シャルロッテ・エイルナートは騎士の誓いを、ここに。この先、マキジ・ヨコシマに如何なる困難が訪れたとしても、我が全力を持って、救う。この誓いは我が命果てるまで消えることはない」


 そうして一息にいい終えると、顔を上げるシャルロッテさん。

 その瞳はどこまでも真っ直ぐに俺を見ていた。


「……いきなりこういうことされると、照れるんですが」

「ご迷惑でしたか?」

「いえ、迷惑だなんて事は絶対に無いですけど……」

「それなら良かった。何せ初めて騎士の誓いを立てたものですから断られたらどうしようかと思いましたので」


 そういって、にこりと微笑んだシャルロッテさんはとても綺麗だった。そう、綺麗という言葉しか出ないほどに。


「では、皆さん。また城でお会いしましょう。はっ!」


 そして彼女はそのまま馬に鞭を入れ、通りの向こうに消えていってしまった。


「「……」」

「あら~……二人とも固まっちゃってるわね~」

【……私も固まりかけたから気持ちはわからないでもない】


 急な事で思考停止してしまった、マールとララーナを置いて。

 ……はぁ、後が怖いなぁこれ……

続きが気になるぞい!な貴方も、なんじゃつまらんのう、な貴方も下の☆から評価して頂けますと作者が泣いて喜びます。

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