表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/26

七話

リュウヤは驚愕する俺を置いて

話を続ける。


「まずはきちんと答え合わせから

 しましょうか。

 私リュウヤは世間が言う所の

 龍王です。

 そしてオーマは魔王です。」


「.....」


「続けますね。

 私たちがここらに来たのは

 賢者が出現したと

 部下から報告があって

 偵察に来たのです。

 賢者が私たちの敵になりうる者

 であるならば始末する予定だったのです。」


「っ。」


「でも私たちが目にしたのは幼馴染と

 楽しそうに笑いあっている

 どこにでもいる少女でした。」


「...じゃあサラが賢者だって

 知ってたんだな。なら

 あの時、俺がサラが賢者だって

 言った時なんで驚いてたんだよ。」


「驚くに決まっているでしょう。

 今まであれだけ仲が良く

 お互いに結婚にノリノリだった

 そんな二人がこんな事になってしまったら

 誰だって驚きますよ。」


「そうか」


「ええ、っグ、グフ」


リュウヤは話している最中に

軽く咳き込んだかと思ったら

次には酷く苦しそうに

何かを吐き出していた。


口元を見ると

赤い液体が伝っていた。


「りゅ、リュウヤ!」


先ほどよりも顔を白くさせた

リュウヤは今まで腰かけていた俺の

ベットにたまらず横になった。


「シード今見て貰ったように

 私の体はもう限界です。」


「そ、そんな

 何とか自分の魔法で何とか

 ならないのか!?」


リュウヤはその言葉に対して

首を横に振るう。


「私の回復魔法で治せるのは身体の傷です。

 今私を蝕んでいるのは勇者のスキルによる物。

 魔物に対しての持続的なダメージ。そのダメージは

 その時負わせた傷の深さによって決まる。今話せているのは

 まさに回復魔法を自分にかけ続けているからです。

 しかしいくら龍王と言えど魔力は無限じゃありません。

 先ほどの吐血は時間が来たという合図です。」


リュウヤの言葉に俺は震えと涙を隠せなかった。


「悲しんでくれるのですか。

 人類の敵である私達の死に?」


「当たり前だ。

 二人は魔王と龍王の前に

 俺の友だ。友が死ぬのに

 悲しくない訳ないだろ。」


俺が涙ながらに答えるとリュウヤは

先ほどまで若干浮かべていた苦悶の

顔を緩やかな笑みに変えていた。


「ああ。君は本当に優しい人だ。

 貴方を騙していた事など微塵も

 怒らず私たちの死に対して

 涙を流してくれている。

 私達は君のような友人に

 出会えて本当に幸せだ。」


「リュウヤ...。」


「そろそろ本当に限界のようです。

 シード貴方に受け取って

 貰いたいものがあるのです。」


リュウヤはそういうと懐から

二つの小袋を出した。


「...これは?」


俺はその黒と白の小袋を

リュウヤから受け取った。


「それはお守りです。

 これからあなたが進む道がどのような

 物になるかは分かりません。

 ですから少しでも支えになればと

 思い作りました。」


「...」


「最後に謝罪を先日約束した旅行の件

 守れなく..なって..しまい..

 もうしわけ..あり..ません。」


リュウヤはもう言葉を話すのも

やっとのようだ。

俺は目元にたまった涙を拭いて

いつもの調子でいった。


「ああ全くだぜ。

 俺の傷心旅行に付き合って

 貰う予定だったのによ..。

 そんな眠そうな姿見せられたら

 無理にさそえ、ないじゃんか。」


「...シードくん...」


「安心しな次め、目が覚めた時は

 お、オーマともどもつきあってもらうからよ。

 俺は二人が起きるまで寝ずに...

 まてて..やる..から..さっさと..ねちまえ

 そんな..眠そうな相手を..無理に起こしてるなんて

 ...サラに..おこられちまう。」


俺はそこまで言葉にするのが限界だった。

リュウヤはそれを察してくれたのか

話を引き継いでくれた。


「それでは...お言葉に甘えて...少し...

 眠ります。シードは...オーマや..私みたいに

 ...寝ては...ダメですよ。寝過ごした時に

 ....おこして...貰わねば....ならない...のですから。」


俺は言葉にできずただ頭を縦に振った。


「それ..では..おや..すみ..な....さ....い」


リュウヤはそのまま目を閉じて息を引き取った。

俺はリュウヤの横で一晩中泣き喚いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ