十九話
唐突ですがこの世界の金銭の価値説明
鉄貨10円相当
銅貨100円相当
銀貨1000円相当
金貨10000円相当
これらを頭の隅に置いてお楽しみください。
「あなたそれでも元賢者なのですか?」
「それはどういうことですか?」
「言葉のままの意味です。
いいですか、確かに普通であれば
そんなにお金は掛かりません。
現にあなたが出した際には
お金が対してかからなかった
かもしれません。」
「それが分かっていて
なぜ先程のようなことを?」
サラは打って変わって
冷静な口調に戻っていたが
それでもどこか凄みを
感じさせるものを
言葉に乗せていた。
「話は最後まで聞きなさい。
...しかしそれはあなたの
所からシードさんの所に
送った場合です。
ではその逆は?」
「? そんなの変わらないのでは?」
「はあ、その答えが先程あなたに
元賢者なのかと聞いた理由です。」
サラはクロカの言葉を聞いても
いまいちピンとこなかったようで
首をかしげていた。
しかし今度はその言葉の真意を
聞くために黙てクロカが
話すのを待っている。
「あなたがその時いたのは
紛れもない紛争地帯の最前線
この世界でもっとの危険な
場所だったのですよ。
そんな所に手紙を届けるのに
安い金額で済むはずがないでしょう。」
「え?」
「これでも奴隷のことを買うために
人間の流通関係を調べた身です。
あなたの所から送るのであれば
精々鉄貨八枚くらいでしょう。
ですが安全な辺境の村から
危険な紛争地帯に送れば銀貨二枚は
かかるでしょう。
加えて言うならば手紙に使用していた
紙だっていうのもおかしいのです。
本来平民しかも農業を主流にしている
人達が手紙を出す際には動物の
皮で作った安価なものを使います。
しかし貴方は紙と言いましたよね。
紙しかも手紙を書く大きさの物であれば
銅貨二枚は掛かるでしょう。
...全くこれだけの金額を
使って手紙を書いていたのに
最後には返事を書かなかったなんて
賢者というスキルは頭が良くなる半面
感情が劣るようなデメリットでも
あるかのように思えてきますわ。」
サラはその話を聞いて
愕然としていた。
当然だろう今までシードは
サラ自身に興味をさほど
感じていないような態度だったが
その実、毎週サラを心配して
銀貨二銅貨二枚かけて毎週
送ってきてくれていたのである。
これが好意を抱いていない
相手にする行動とはとても思えない。
シードがサラに興味が無いような
態度を取っていたのは恐らく
照れからくるものだろう。
それをサラは今さら
それも他人から諭されたのである。
我はその姿を見て話をつづけた。
「サラよ、お主は今なんとしてでも
シードに謝らなくてはと
思っているのではないか?」
「...当たり前です。
私はシードがそこまで私を気に
掛けてくれていたなんて
気づきませんでした。
その思いを踏みにじったのですから
謝罪をしようと思うのが当然です。」
「それだ、その考えが我が先ほど自分勝手
だといった理由だ。」
「え?」
この寂しく辛い時間はもう少し続く。
シードはオーマ達の訓練の間に実戦経験
という事で魔物と戦っています。
手紙のお金はその素材を売って賄っています。




