十八話
「魔王様いかがされました?」
クロカがいつまでも笑い続けている
我に心配した表情で聞いてきたので
何とか笑いを抑えようと努力する。
「くふふ、いかがしただと、ふふふ
これが笑わずにいられるか、ははは!」
何とか笑うのを止めようとすること10分
ようやく笑いが抑えられたのでクロカ達に向き直る。
「ふー、クロカよすまない少々取り乱した。」
「いえ大丈夫でございますが、その...。」
「先程ああも我が大笑いした理由か。
それはなそこなサラという人間が
あまりにも滑稽で自分の事しか考えられない
愚者だったものでな堪え切れんかったは!」
クロカは我の発言に首をかしげる。
「魔王様仮にもサラは賢者のスキルに
選ばれた者なのですよ?
その様な者が愚者とは...。」
「そうだな。話を聞く限りそして
これまでの会話から切れ者だ
という事は分かる。」
「それならば...。」
「しかしだ。
シードはサラに手紙を書き続けて
いたのであろう?
それに対してサラ貴様は
返事をきちんと書いていたのか?」
「...いいえ。」
サラは初め我の質問に肯定しようと
していたのだろう。
しかし何か思い当たることがあり
否定した。
今の間はその間だろう。
「なぜ返事を書かなかったのだ?」
「ブレイとの関係が進むにつれ
書くのが嫌になったからです。」
「ふっ。つくづくシードは
かわいそうだな。
こんな奴の為に少なくない
金まで使ったのに。」
「? 一体どういうことですか?
お金を私の為に使った?
今の会話からなんでそうなるのですか?
それとも何かシードについて知っているのですか?」
我はこの反応をみて
少し頭を抱えたくなった。
横にいるクロカは理解しているようだったが
サラの隣にいるフレイはサラ同様
分からずにいるようだった。
「再確認するがシードはほぼ毎週
サラに手紙を送っていたのだな?」
「はいそうですが?」
「ちなみにその材質は何だったのだ?」
「紙ですが?」
サラの返答を聞いてクロカが
溜息をついた。
「はあ、貴方それが分かっていて
なぜ魔王様の言葉の意味が分からないのですか?」
「?」
「いいですか手紙を出すのもただではありません。
紙のお金届けてもらうためのお金
それらがかかるのですよ。」
「だからそれが何だというのですか?
私も手紙を出していましたが
そこまで言われるほど
大金では無かったですよ!」
サラは語尾を少し強めて発現したが
それはクロカを余計呆れさせる
以外なんの意味をなさなかった。