十一話
もう一話サラ編が続きます
目が覚めるとそこは牢屋の中だった。
私は自分が生きている事を確認すると
少し落胆の息を漏らした。
とりあえず状況を確認することにした。
着ている服装は奴隷の人が着るような
最低限の身を隠せる程度の布切れ。
手足は鎖でつながれていて
両手両足が鎖でつながれていて
自由に動かすことが出来そうにない。
それと魔法を試そうとしたが
声が出ない一瞬喉を潰されたのかと
思い意識を集中させるが痛みや違和感はない
恐らく何かしらの魔法で声が出せないように
なっているのだろう。
それから辺りを見回す
すると私のすぐ近くに
フレイさんが横たわっていた。
「--っ!」
私は咄嗟に声をかけようとしたが
自分が声が出せないことを思い出し
とりあえず体をゆすって起こすことにしました。
フレイさんもすぐに目を覚まして
状況を確認すると
「-----っ!?」
と何かを伝えようとするも
やはりフレイさんも声が出ないみたいです。
どうにか意思疎通が出来ないかを模索していると
牢の前に誰かが来た。
「おや、目覚めたのかい
さすが元賢者に元王国最強の騎士団長様だ。
スキルを奪われたのにたった一日で
目を覚ますなんてやはり肉体も
常人とは少し違うのかね~」
牢の前に立っていたのは
一人のおばあさんでした。
「おっと自己紹介がまだだったね。
私はマージャこの奴隷市場の
女奴隷担当の責任者だよ。」
奴隷市場それは名前の通り
奴隷を売っている場所です。
他の国では奴隷制度が廃止されている
所も多いのですがこの国ではまだ
奴隷制度が生きています。
そしてそんな所に私達がいるという事は。
「どうやら自分たちの状況を理解したようだね。
それは結構説明する手間が省けて何よりだよ。
あと説明するならあんた達の声が出せない理由
くらいかね。」
どうやらこのおばあさんは
私達の事を一応気遣ってはくれているみたいです。
私達は固唾を飲んで話を聞くことにしました。
「あんた達が声を出せないのは
封印の魔法を受けているからさね。」
封印の魔法それは対象者に対してありとあらゆる
制約を付与する魔法です。
これは本来罪を犯したものに付与される物です。
これは一度付与されてしまうとその人が
死んでしまうまで解くことが出来ません。
「あんた達に付与されている封印の内容は
一つ声を発することの禁止
二つ主人になったものに対して絶対服従
三つ他者へ危害を加える事の禁止
四つ性行為の禁止
の全部で四つさね。」
私は困惑しました。
三つ目までは分かります。
私達が反逆の機会が訪れても
それを一切させないものであるという事は
しかし性行為の禁止?
こればかりは理解が出来ません。
「その顔は四つ目の制約内容の意図が
わからないという顔だね。
そこであんた達を売った奴からの
伝言がある。
『お前たちに付与したそれは僕なりの代金さ。
その制約があれば誰であろうと君たちを
犯すことができなくなる。
これは今まで楽しませてくれたことに
対する感謝の気持ちだと思って喜んでくれたまえ』
以上だよ。」
なにが感謝の気持ちですか。
これでは私達の末路は決まったも同然じゃ
ないですか。
女である私達が女としても使えず
他者に危害を加えれないから恐らく魔物も
倒せません。
私達はどこかの薬品や魔法の実験台に
されてしまうか
どこかのサドに徹底的にいたぶられて
結局ろくな死に方はできないみたいです。
「本当によく頭がよく回るみたいだね
そちらの元賢者さんは
ま、そういう事だから覚悟はしておくんだね。
あんたらが出展されるオークションはあと
一週間後それまではこの国を救ってくれた
恩を返すためにまともな暮らしをさせてやるさ
ああ、奴隷を解除するなんては私は絶対しないから
そのつもりで。せっかくの売り物を手放しゃしないよ。」
そういっておばあさんは去って行った。
私はこの状況を理解して真っ先に
思ったことがこれも罰かという事。
なら私は文句を言う資格はない
だから甘んじて受けよう
例えいたぶられた上死んでしまおうとも
例え実験台にされて人間としての
原型を保てないまま死んだとしても
私にそれを拒む資格はないのだから。
シードごめんね、
謝りにいくのもう少し後になっちゃうよ。