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魔法の使えない魔法使いはしぶしぶ筋トレを始めました。  作者: スフレ
第1部「魔法の使えない魔法使い」
9/45

休日

朝起きたら、キッチンの方で音がする。



行ってみたらエプロン姿のエリスがいた。

「あっ、おはようございます!もうすぐ出来ますからね。」

なんと朝ごはんを作ってくれていた・・・。

「えと・・・、どうやって入ってきたの?」

「鍵開いてましたよ・・・?」

あぁなるほど、こんな時に鍵をかけない習慣が裏目にでてしまった。いや・・・待てよ裏目?あれれ、待て待て、朝起きたら美少女がキッチンで朝ごはんを作ってくれている。多分俺のために!

え・・・これって最高じゃないか?最高のシチュエーションじゃないのか!?



美味かった。

昨日もそうだけどエリスさんめちゃくちゃ料理上手いのな・・・。

「美味しかったです。」


「ありがとうございます!」

俺に助けて貰った恩を感じてるのか怖いくらいに働いてくれる。


食後のコーヒーも出してくれたので飲んで一服していると


「今日の予定って何か決まってますか?」


今日は休日で、学校がない。古本屋にでも行って立ち読みでもしようかなと思ってた。


「決まってないけど。」


「じゃあ、私に付き合って貰えませんか?」





連れていかれた先は魔法具屋。

魔法具屋とは魔法関係の雑貨を販売している店だ。


「私、まだ自分の杖を持ってないのよ、あなたも持ってないみたいだし、一緒に買いに行こうと思って。」


杖・・・魔法の補助具みたいなもので、本来、人は何も持たずに魔法を使用出来るが杖を持っていると魔法の出力が上がったり詠唱時間が短くなったりする。他にも魔力を貯めることが出来たり、魔法の詠唱を記録出来たりと様々な機能がついている物もある。


昔、魔力を貯めるタイプの杖を使ってみたけど、魔法適性が0なので魔法を使う事は叶わなかった。

今は龍脈術で魔力の問題は解決したが、魔法適性だけは才能なので、どうすることも出来ない。


まぁでも久し振りに来てみると前までは無かった機能が付いた杖やカッコイイ杖なんかもあって見ていて飽きない。


エリスも真剣に杖を選んでいる感じだ。


ついでだし、アクセサリー的な感じで指輪型の杖でも買ってみようかな・・・。

魔法の詠唱速度を上げる機能がついたやつを一つ買った。

銀色のリングに青色の宝石が埋め込まれたものだ。

俺が持ってると、ほんとアクセサリーなんだよなぁ。


と、一つの商品の前で目が止まった。

「魔力を流し込むだけで魔法が発動する杖だと・・・!」

えっ!?何その機能!まてまて、それって俺でも魔法使えるんじゃないか・・・?



「店員さぁーん!!!」






結果、俺は初めて魔法を使った。熱力魔法の基本技「火球(ファイア)」を。

感動のあまり、俺は涙を流してこれも購入した。

店員は困惑してた。


これも指輪型だ。ついに本当の魔法を使えるようになった。

ただしのこの杖、記憶させられる魔法は一種類だけで、連続使用が出来ず、他の杖と同時に使うことが出来ないという、普通に魔法が使える人からしたらクソ性能だった。

俺からすると神器に等しいがな・・・。さぁてどんな魔法を記憶させようかな。


買い物が終わり寮に帰ることにした。


「あれ?何も買わなかったのか?」


「うん・・・あんまり気に入ったのが見つからなくて、今度町の大きな魔法具店に行こうかな・・・。」


「じゃあ、これやるよ。」買ったもののもう使わないだろう最初に買った指輪型の杖をプレゼントした。

こんな素晴らしい杖に出会う機会をくれたお礼もかねて・・・。



「えっ!あ、ありがとうございます!一生大事にします。」


重いよ!


寮に帰るとやっぱりついてきて晩御飯作ってくれた。

美味かった。

俺、もうエリスの飯しか食えないかもしれない。

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