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魔法の使えない魔法使いはしぶしぶ筋トレを始めました。  作者: スフレ
第1部「魔法の使えない魔法使い」
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視線

これ程視線を感じる事は人生で初めてだと思う。

授業中、後ろから物凄い視線を感じる。

振り返ってみるとエリスと目が合った。エリスは一瞬ビクッとして目をそらした。


・・・。


前に向き直すとやはり熱い視線を感じる。





午後の授業は実技授業だった。今回は生成魔法の応用編で、水を生成して、その水に変化を与え味を付ける、というものだ。




こんな課題は出来るはずもなく、渡されたコップを机に置いて昼寝することにした。



トントンっと背中を叩かれ起こされる。

やば、先生に見つかったか。いやでもこの授業の担当のジョセフ先生は教室内の見回りなんてしないはず・・・。



そこにはエリスが1人で立っていた。


「・・・なに?」


「もう授業終わっちゃったわよ」


「あぁ、そうか、ありがとう。」

そう言って立ち去ろうとした時、


「一緒に帰りましょ?」


「ん、あぁ・・・あぁ?」


なんか一緒に帰ることになった。


学校から寮までの道を2人で無言で歩く。


「あっ、俺こっちだから。」

「私も行く」


そうかそうか、てっ!?私も行く!?


とりあえず部屋の前まで来たけど、この子ついてきちゃったよどうしよう。


部屋の扉を開ける(普段から鍵はかけていない。)

と、エリスも一緒に入ってきた。


とりあえずお茶を出してテーブルの向かいに座らせる。


するとエリスは深呼吸をしてから話し出した。


「昨日はごめんなさい、本当は私の命でつぐなわなければいけないくらいの事なのに。」

突然土下座しだした。

「あぁ、いいのいいの、そんなに怪我とかしなかったし。これにこりたら俺にはちょっかいを出さない事だね。他の4人はどうしたの?」

するとエリスは顔だけ上げて

「私の友達だったんですけど。自主退学しました。圧倒的力の差を感じて自信を無くしてしまったそうよ。」

「そうかぁ、ちょっとやりすぎたかな。」


有望な魔法使い達の未来を潰してしまったのか。


「まぁ、怒ったりはしてないからもうこのことはいいよ。」


「ありがとうございます。この恩は一生かけて返そうと思います。」


「おっおう・・・。」

重いなぁ・・・。


「それでは、今日の夕飯は決まってますか?」


「ん、今から購買におにぎりと弁当でも買いに行こうかと思ってたけど。」

失敗ばかりするので自炊は諦めようと昨日決心したのだった。


「私が作ります!」









なんとちゃんとした料理を作ってもらった。

すごく美味しい。


「えっと・・・すごく美味しいです。」

「ありがとうございます!また作りに来ますね。」


「あ・・・あぁ・・・また?」



とりあえずエリスを自分の部屋に帰らせて。風呂に入って寝た。

けっこう美味しかったなぁ。


久し振りに食べた美味しい物、まんまと胃袋を握られてしまった俺だった。

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