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番外編 サイドストーリー「料理と酒」

ゴブリン村での夜の事






「まっずぅ!?」

アンナはゴブリンが出してくれた料理を吐き出した。

俺の顔に飛んできた。汚いなぁ。


「おいおい、もったいないだろ、何してんだ。」


「だって、これ、苦くて酸っぱくてエグくて・・・こんなの食べられるわけないじゃない!」


見た目は普通のおじやの様なドロドロの物だ。

一口食べて見ると、確かに色々な味が舌を刺激してくる。


「いや、普通に美味しいけど・・・。」


「えぇ・・・それ本気で言ってるの・・・?」


確かに食べた事ない味だけど俺には美味しく感じる。


「食べるの無理か?」

「無理!!!」


しょうがないな、何も食べれないのは可哀想だしな・・・。












「アースさん、台所貸してください。」

「どうした?」

「いや、料理がアンナの口に合わなかったようで・・・、決して美味しくない訳じゃないんですけど・・・。」


「いいぞ、好きに使ってくれ。ゴブリンの料理は合うやつと合わない奴がいるからな。」


じゃあなんでそれを出したんだよ。

ゴブリンってどこか抜けてるんだよなぁ。












「・・・美味しい!」


とりあえずゴブリンの料理は材料じゃなくて作り方と味付けに問題があったようだ。ちゃんとやればアンナでも食べられるものが作れた。


「めちゃくちゃ美味しい・・・毎日食べたいくらい・・・。」

アンナは涙を流しながら食べてた、そんなにさっきの料理が不味かったのか・・・。


「そりゃどうも、そう言ってくれると作りがいがあるってもんだ。」


「あんたって料理出来たのね、誰かに教わったの?」


「昔は上手くなかったんだがな、嫁に仕込まれてここまで上達したんだ。」


「嫁!?ってかあんた結婚してたの!?」


「えっ?あぁ、言って無かったっけ?」


「・・・バカ!」

そう言ってアンナは部屋の隅に行ってしまった。


えぇ、俺なんか悪いこと言ったか・・・?


今もなんかボソボソ言ってる(多分俺の悪口)。

でも飯はガツガツ食ってる。





部屋に居づらくなったので外に出ると、アースさんが庭で酒を飲んでいた。


「ソル、飲むか?」

「あぁ、はい。」

せっかくなので頂くことにした。


注がれたのは火酒だった。喉が焼けるように熱いがすごく美味しいお酒だった。


「私は魔王を倒したい。」


・・・なんか語り出した。


「俺には兄がいてな、魔王を倒しに行くと言って私に村長の席を押し付けて村から出ていってしまったんだ。」


・・・。


「兄はそれから帰ってこなかった。恐らく殺されたんだろう。私は兄の仇をとるために魔王を倒さなければいけないと思っているんだ・・・。」



そう言ってアースさんは寝てしまった。

そんなに飲んだわけでも無さそうなのに・・・弱いなら飲むなよ・・・。


アースさんを部屋に入れて、俺も寝ることにした。


しかし、結構強い酒だったんだな、今更頭がクラクラしてきたぞ。


ベットに入ると、アンナがいた。


「ちょっと、何入ってきてんの!?」


ちょうどいいので抱いて寝ることにした。

「えっ?ちょ!?ッ!?」


最近、肌の温もりが足りなかったからなぁ・・・。




次の日の朝、アンナに殴られた。拳で。

何でだ、ご飯も作ってあげたのに・・・。昨日の記憶があんまり無いけど、俺なんかしたのか?


でも朝ご飯作ってあげたらアンナの機嫌はすぐ治った。

単純で良かった。


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