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終話「全力と再会」

強い・・・!

黒い鎧は長剣を振り回し、魔王城の門に俺らを近付けさせないようにしている。

今はアースさんが交戦している。

俺はついさっき古龍鉤爪(リュウノカギヅメ)ごと右腕を切り落とされ、回復中で、もうすぐ終わる。


出し惜しみしてる場合じゃないな。

俺は回復した手に指輪をはめる。


・・・ケートスさん、力を貸してください。

瞬間、俺の体が燃え上がる。


熱力魔法「火炎体巻(ヒートステラ)」火炎を纏う魔法で、ケートスさんに指輪に保存してもらった物だ。


鬼龍闘気×古龍鉤爪×火炎体巻、3つの奥義を組み合わせた今の俺に出来る全力。


名付けて「暴走龍(オーバードライブ)


その横で、鈍い音がして、振り向くと顔の表面がえぐれ、血塗れになったアースさんがいた。


驚いたが、これはアースさんが自分でやったのだ。


「風読術」・・・目(視覚)、鼻(嗅覚)、耳(聴覚)、口(味覚)の4つの感覚器官を破壊して、残った肌(触覚)の感度を5倍にして、風を読み、空間的に相手を捕捉認識して戦うという、回復力の高いゴブリン族だから出来る秘術だ。


存在は知っていたがまさか本当にやるなんて・・・。


そして、仕上げにアンナが俺とアースさんにある魔法をかける。


限界封印(リミットキル)」・・・体のリミッターを封印、つまり解除する事で本来以上の力を発揮させる封印魔法の奥義。



準備は整った。


アースさんが鎧の懐に潜り込み剣を破壊して、抱きつき拘束する。


身動きの取れない鎧の頭を俺が殴り抜けた。



しかし、

あっ!?激痛!

俺の腕が再び無くなっていた。馬鹿な、剣はもう使えないのに!?


振り向くと身体中に斬跡を刻まれ倒れていくアースさんが見えた。

鎧の両手には何も無く、フリーの状態だった。


何をされたんだ・・・。


すると、一応ダメージはあったのか鎧の頭部にヒビが入り砕け散った。


・・・最悪だ。

鎧の中身はスズナだった。しかし、その目に覇気はなく、まるで人形の様だった。

同時に全てを理解した。

あの鎧、「斬撃付与(シャープエンチャント)」がかけられている!


鎧はアンナの方に進んでいく。


ぐっ、このままじゃアンナが・・・!


腕が一つ無くなり、身体中傷だらけで満身創痍の俺に何が出来るか。




俺は顔を爪で引き裂いた。

痛みで狂いそうだが、我慢!触覚に全集中!


無我夢中で風読術の真似事をして、鎧、スズナに突っ込む。

相手はスズナだ。殺すわけには行かない。

ふれただけで切り刻まれる鎧を着た人の懐に潜り込み、片手で後頭部に手加減をして攻撃を与え気絶させる。


土台不可能。しかし、やるしかない。


鎧の間合いに入る。鎧は迎撃しようと両手で俺を掴もうとする。


が、無視。体が真っ二つにされた様な気がするが気にせず後頭部だけを狙い進む。


しかし、鎧は俺の頭に拳を放った。



・・・終わった。


が、何かが、鎧の腕に命中し弾かれる。


よくわからないがチャンス!

後頭部に手加減をした手刀を叩き込んだ。













「ソ、ル・・・ソル・・・ソル!」



目を覚ます。

ここは・・・テントの中か。

ん、んん!?


「・・・エリ、ス?」

そこにはエリスがいた。


「ソル!まだ喋っちゃダメ!」


見ると俺の体は本当に真っ二つになり、アースさん、と知らない男の人が回復魔法で治療してくれていた。

なんで俺こんな状態で生きてんの?


「・・・な、んで、エリス、が?」


「援軍よ、私も大魔法使いになったの!」


聴くと俺が出発した後、エリスも大魔法使いになり、援軍としてやって来たらしい。あの時鎧の腕を弾いたのはエリスの魔法か・・・。


あ!鎧といえば!

「スズナ・・・は?」

「大丈夫、生きてるわよ。」


良かった。スズナもテントの中で寝かされていた。


「そうか・・・、で、この人は?」

俺を治療してくれている男の人に指差す。


「大魔法使い「輪廻の錬金術師」ストレ・クーロイさんよ。」


なるほどなるほど、大魔法使い一挙に集合って事だな。


「そして、私は「破砕の砲術師」エリス・キアスターよ!」


本当に大魔法使いになったのか・・・。






次の日、俺はテントを出る。

俺の体は2人の回復魔法と俺自身の回復力ですっかり良くなった。


「一時はどうなるかと思ったがよく生きておったなソル・キアスターよ。」

外にはニコラスさんと、ニコラスさんが成獣魔法で作ったのだろうドラゴンがいた。

恐らくこれに乗って飛んできたんだろう。

最初からこれで来れば良かったんじゃ・・・とは言わないでおいた。

「ケートスの事は残念じゃったが、今はこちらが優先じゃ、全てが終わってからあやつを弔おうぞ。」

「分かりました、それじゃあ行きますか。」


俺達はスズナとストレさん以外の全員で魔王城に入った。





そして、中には10代半ば位に見える青年が立っていた。


「お前が魔王か・・・?」

尋ねると、

青年はニヤリと微笑み、ゆっくりと口を開いた。





第2部完

第2部完結です。

大魔法使いが全員集合して、魔王に立ち向かう第3部・・・はまだ構想段階です。

1部の時と同じ様に番外編を出しながら考えていきます。これからも筋トレをヨロシクお願いします!

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