困惑
「なんだこれは・・・。」
俺ら3人はスズナを救うために夜、町へと戻って来た。
しかし、この光景は・・・。
街の中は一面血の海になっていた。
そこら中に死体が転がっている。血の匂いが鼻を突く。
「何か鋭利な物で斬られているな。」
アースさんはあまり動じてないのか、死体を観察している。
俺は昨日とはまた違う感じに気分が悪い。
辺りには人の気配が無い。恐らくひとり残らず殺されているんだろう。
「アースさん、昼頃はどんな感じでした?」
「いや、何ともなかった。半日でこんなになってしまっているのに私も驚いている。」
全ての死体が切り殺された状態だ。真っ二つになってしまっている物もある。
・・・剣を持った盗賊団なんかが町を襲ったのか?
・・・剣?
「なあ、アンナ・・・って大丈夫か?」
アンナはしゃがみ込んで吐くのを我慢してる感じだ。
「・・・大丈夫、大丈夫だから・・・。」
まだ辛そうだな。
「スズナが使う魔法ってなんだっけ?」
「付与魔法よ。」
「それってどんなの?」
「手に持ったものに魔法の力を与えるっていうものよ。スズナのは斬撃付与っていって持つ物に刃の特性を与える能力だけど・・・まさか!?」
「あぁ、確信は無いけど、スズナがやったのかもしれない。アースさん、とりあえずスズナが捕まっている場所に行きましょう。」
「あぁ、わかった。」
「・・・ここですか。」
「・・・あっているはずだ。」
そこには横に真っ二つになって崩壊している建物があった。
一体何をすればこんなことに・・・。
結局2日町に留まったが、スズナも、生きている人さえ見つからなかった。
仕方なく、町を出て魔王城を目指すことになった。
3日ほど歩いた。もうすぐ魔王城だ。
俺達が歩いている場所、ここは「白い森」と言われる場所だ。
魔王と大魔法使いキール・キアスターが戦ったと言われる場所で、戦いの影響なのか気は全て枯れていて白く変色していて、まるで骨のように地面に突き刺さっている。地面は白い砂で覆われていて、砂漠のような感じだ。この一面真っ白の場所は元は普通の森だったらしいが、これが魔王の力なのか。
これから俺達が向かう場所にはその張本人がいる。
生きて帰れるのだろうか。
魔王城の入口まで来た。
そこには漆黒の鎧が立っていた。
すると突然鎧はこちらに向かってくる。
俺達は戦闘態勢に入る。
第2部も終盤に入りました。応援ヨロシクお願いします。
次話の更新は主に平日に行います。