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魔法の使えない魔法使いはしぶしぶ筋トレを始めました。  作者: スフレ
第1部「魔法の使えない魔法使い」
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鬼龍闘気

俺は道場を出た。

これから魔法学校の入学試験を受けに行くのだ。ついにこの時がきた。魔法適性、魔力量共に0の俺に何が出来るのか。


俺にはふたつの奥の手がある。


一つは「鬼門法」、鬼門流拳闘術道場に伝わる奥義、体の中の魔力を爆発、暴走させることにより通常の数十倍の身体能力を得る。なお燃費は悪い。

この技のいい所は魔法適性は関係なく使うことが出来るという点だ。魔法を使う技術、つまり魔法適性が高いほど高度な魔法が使える。しかしこの奥義は魔法ではない、ただ魔力を暴走させるだけ。母は魔法適性が0とはいかないまでもかなり低かったらしい、それなのに大魔法使いになれたのは鬼門法の存在が大きい。魔法適性0の俺でも使うことが出来る。っと祖父は考えたのだろう。馬鹿が・・・俺の魔力量は0だぞ。魔力を暴走させるも何も体の中に魔力がないと意味無いじゃないか。



そこで出てくるのが第二の奥の手「龍脈術」である。


魔王を封印した偉大なる大魔法使いである父キール・キアスターの形見である手帳に記されていた秘術だ。

父は魔法適性は異常なほど高かったらしいが魔力量は常人より低かったらしい、そんな父が必死になって作り上げた術、それが龍脈術である。魔力というのは体の中だけではなく、空気中、地面、全ての物に宿っている。それを自分の魔力として使ってしまおうというのが龍脈術だ。

簡単には習得出来ず、使えるようになるまで2年かかった。

しかし、これで魔力量0の問題は解決した。


ここでふたつの奥義を同時に使うとする。

鬼門法、身体能力を底上げする秘術、しかし、体の魔力を暴走させる関係で魔力の燃費が物凄く悪い、しかし、龍脈術を使うとどうだろうか?なんとそこらにある物の魔力を使い放題。

つまり本来、短期間でしか使えない鬼門法を無限に使用出来るのだ。今の俺の力は物凄いことになってるだろう。

この合わせ技を「鬼龍闘気」と名付けた。







魔法学校につき、入学試験を受ける。

まずは筆記試験。魔法関係の少し難しい問題を解く、元々俺は大魔法使いを目指している。

周りからはうんうんと唸る声が聞こえるが、俺はスラスラと答えを書いていく、楽勝だった。



そして実技試験。俺の目の前に大きな岩が用意された。俺の身長の2倍くらいある岩だ。


今からこの岩に向かって魔法で攻撃をする。

そして岩に与えたダメージで点を付けるのだ。

周りの連中は魔法で弾丸や火の玉を当てて攻撃しているが、よくて表面が削れる程度。

ふっ、少し本気を出すか・・・。


鬼龍闘気を発動する。


「それではこの岩に魔法で攻撃を加えてください。制限時間は3分です。」

ボッ!

係員が言い終わった瞬間、俺は岩のすぐ前へ移動、そして右腕を岩に埋める、岩は吹き飛び粉々になった。この間0.2秒である。




静まり返る試験会場、少しの間を置いて1人の係員が俺に訪ねた。

「い、今のはなんだい・・・?」




大きく息を吸い込み、ハッキリと答えた。








「強化魔法です!」



今ここに魔法の使えない魔法使いが誕生したのだった。

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