朝
寒さで目が覚める。
辺りは明るくなっている。
俺の服ははだけていて、下半身は丸出しの状態だった。
横を見ると俺から毛布を奪ったのだろう、裸のアンナが毛布にくるまって眠っていた。
やっちまったな・・・。
テントを出て、近くの川で顔を洗う。
心に空いた穴は塞がった気がするが、また新しい悩みが出来てしまった。
ため息をついていると、後ろから足音がする。
「おはよ。」
アンナだった。服はちゃんと着ているようだ。
「・・・おはよう。」
アンナは俺の横に座る。
・・・。
・・・気まずい。
2人とも何も喋らず、10分が経過する。
そろそろ緊張で喉が乾いてきたので川の水を口に入れたタイミングで、
「気持ちよかった?」
「ブフォァ!」
盛大に水を吐き出してしまう。てか、いきなり確信突いてきたな。
「・・・え、えっとそれは・・・。」
「気持ちよかったの?」
「気持ちよかったです。」
「スッキリした?」
「スッキリしました。」
「・・・ふーん。」
・・・。え、何?怖い。
「私もスッキリした。じゃあ、昨日の事は2人だけの秘密ってことで。」
「えっ!?」
「あんた結婚してるんでしょ?」
「・・・はい。」
「でしょ、私もこんなことしたのがバレたら巫女続けられなくなっちゃうし。」
「え、巫女だったんですか!?」
「なんで今さら敬語なのよ、「封印の巫女」、私の異名忘れたの?」
「そうだったのか・・・。」
「一応上位の巫女なんだけどね。」
・・・。
「責任取ろうとか考えなくていいわよ、私がしたくて誘ったんだから。お互いスッキリ出来て良かったでしょ。だから、これでこの話は終わり!」
「・・・でも。」
「終わり!そのかわり、絶対にスズナを助けましょ!」
「・・・あぁ、ケートスさんのためにも。絶対に・・・。」
昼頃、アースさんが帰ってきた。
やはり、スズナはまだ生きていて捕えられているらしい。
夜、3人でスズナを助け出すことにした。
街へと向かう道で。
「寂しくなったら、今度はあなたから誘ってもいいわよ。」
「ブッ!?おい、それは・・・!」
「・・・冗談よ。」
「2人とも元気になったようで何より、だが気を抜くなよ。」
「分かってますよ。」
「分かってるわよ。」
俺達は町へと入って行った。