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野宿

「嫌よ!こんな所で野宿するなんて!」


森の中、比較的木が少なく月の光も届くこの場所でテントを張ることになったのだが案の定アンナ様がごねました。


「いや、でも町まではまだ遠いしこう暗いのに歩く訳には行かないだろ。夜になったら魔獣も出てくるから早めに野営地を作らないと・・・。」

「嫌よ!何で昼の内に急がなかったのよ!」

「それはアンナが遅いから・・・。」

「・・・ッ!ケートの馬鹿!死ね!」

「えぇ・・・。」









ケートスさんが手早くテントを作る。やはり頼れるな、兄貴と呼ばせてもらおう。

「それじゃあ、テントは張れたし後は結界魔法で覆うだけだな。誰か結界魔法使ってくれ。」


「えっ?ケートスさん結界魔法使えないんですか?」


「ケートでいいぜ、俺は火炎を生み出す魔法しか使ったことないから、俺が結界使うと炎の結界になっちまうんだよ。テントを燃やすわけにもいかないしな。ということはソルも使えないのか?」


「はい、強化魔法しか使えません。」


「そっか、アンナは?」


「私は封印魔法専門だっつってんでしょ!」


「はいはい、スズナはどうだ?」


「・・・出来ない。」


「困ったな。」


本当に困ったぞ。

魔獣がうようよいるこの森で結界を使わずにテントだけで野営するなんて無理がある。


「よしよし、わかった。それじゃあ、順番にテントの見張りをするんだ、これでいいだろ?」



頼れるぜ兄貴。









という訳で俺は朝方の見張りの役になった。

やはりというかアンナはごねて見張りはやらなかった。


今の内に寝とこう・・・。















「おい!起きろソル!魔獣の群だ!」

ケートスさんの声が聞こえる。

やはり来たか・・・。


鬼龍闘気と古龍鉤爪(リュウノカギヅメ)を発動させてテントを出る。

魔獣なんて触れただけで殺せる自信があったが・・・。


「・・・なんだよこれ。」


そこには大量の狼の群れが、その数およそ500匹以上。


ケートスさんとスズナはもう戦っていた。


「くそっ!」

数が多過ぎる。倒しても倒しても湧いてくる。


「きゃあー!」


「なんだ!?」


アンナが狼に囲まれていた。

灯りを振り回して何とか追い払ってるが。


くそ、手が離せない・・・!


するとスズナがそこへ飛び込んで行った。




約1時間程戦い続け、狼の群れはいなくなった。


するとスズナはその場に崩れ落ちた。

「スズナ!」

アンナがスズナを支える。


スズナの鎧の隙間から血が流れていた。


この出血量はやばい、俺は何度か生死の境目をさまよった経験があるので、人がどの程度で死ぬのかよく知っている、




「とりあえずスズナの治療をして、今日は休め、俺が見張りをしておくから・・・。朝早くにここを出発する。」


ケートスさんまじ兄貴。

そんなこと考えている暇はない。

早く治療しないと。


早くもピンチに陥ってしまった。これからどうなるのだろうか。

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