卒業試験3
「死ぬかと思ったわ。」
「ほんとにね。」
医療班の必死の治療で、何とか持ち直した。
ちなみに物理的に手術とかしてもらって。
回復魔法という物も存在するがそれは強化魔法と手術魔法の応用技でできる人はこの場にいない。
傷を塞いで、輸血してもらって俺の体力が少し回復したところで強化魔法もとい鬼龍闘気を使って完治させた。
こういうことにも使える鬼龍闘気ってすごく優秀だと思う。
今年の試験合格者は全体の6割ぐらいか。まぁ、なんか厳しいみたいだし。
明日は卒業式だ。今日はゆっくり休むとしよう。
卒業と言えばそろそろエリスとも本格的に結婚式の準備とか、今後のこととか話し合わないとな。
魔法学校を卒業したらとりあえず魔法使いを名乗り、国の兵士として働いて給料が貰える。
まぁ俺もエリスも優秀だし、給料もきっといいだろうな。
ゆくゆくは家とか買いたいし、子供も出来るかもしれないしな。
本当にどうでもいいけど、エリスとはやることはやってる。
まぁほんと節度をもってやってるので2ヶ月に1回くらいかな。
風呂から出て少し酒を飲みながらリビングでゆったりと過ごす。この部屋も今日でおしまいか・・・。
ところで俺の年齢なんだが22歳らしい(エリスが俺の出生情報とか知ってた。)。エリスは19歳、だから酒はまだ飲めない。
エリスは何かジュースでも飲んでるんだろう。
「ソル、今日ちょっと話しがあるんだけど。」
「あぁごめん、疲れてるし傷が完全に治ってるかわからないから今夜はちょっと、ほんとにごめん。」
「・・・?・・・ッ!?違うわよ!話したいことがあるの!」
「ここで話せば?」
「ついて来て欲しいんだけど。」
「・・・?わかった。」
エリスに連れられて外に出る。少し肌寒いな。
寮から少し離れたところにある山。そこの誰も入らないような林を越えて辿り着いたのが星が良く見える景色のいい崖だった。
「綺麗だなここからの景色。」
「・・・。」
「で?話しって言うのは?」
「ソル・・・。私の事好き?」
「大好きです。」
「そう、ありがとう。」
「じゃあさ、ここいらで1回別れてみない?」
「はぁ?別れる。」
「・・・ごめんなさいソル、私と少しの間別れてくれないかしら。」
「・・・。」
「5年・・・いや、3年!1人にさせて欲しいの。」
「いいよ。」
「私のことはいくらでもせめてもらって構わ・・・て、いいの?」
「うん。俺と少し離れて生活してみたいんだろ、何か理由があるんだろうけど、まぁいいよ。それで、何かが良くなるなら、エリスが幸せになれるなら。」
「うっ、ううっ、ありがとうソル。」
エリスを抱き寄せる。
「じゃあ5年後また会おう。」
「5年後・・・、あなたに相応しい人になれるように頑張ります。だから、今は・・・。」
「行ってきな・・・、俺はいつまでも待ってるから。」
2人で部屋に帰り、今日は同じベットで、眠った。