研究1
突然だけど、今の俺の状況説明するね。
「お前がソル・キアスターか?ちょっと付き合ってもらうぜ。」
不良にからまれてます・・・。
少し時を遡る。
寮の自室にて
「あぁー、体の痛みもだいぶんとれてきたし、そろそろ学校行こうかな。
エリスー、最近の授業どんな感じ?」
「そうねぇ、最近は座学ばっかりだから・・・。」
「まじで・・・、行きたかったな学校、実技無いとか最高じゃないか。」
「でも座学も難しいわよ。」
「どんなの習ってんの?」
「今習ってるのは、雷撃魔法の使い方だけど・・・。
どうすれば上手く電気を生成出来るか分からないのよね。」
「・・・、エリスさ、電気を生成しようとしてるの?」
「うん、そうだけど、魔力が大量に必要になって・・・。」
「もっと効率のいい方法あるぞ。」
「え!?あるの!?」
登校中
「なるほど!雨雲から雷が出来るのと一緒で、まず氷を生成して、それを擦り合わせた摩擦で電気を作ればいいのね!」
「そうそう、生成魔法で直接電気を作るより、熱力魔法で雲から雷が出来る原理を利用する方が簡単だし、必要な魔力も少なくて済む・・・。」
「流石、座学学年1位の実力は違うわ・・・。」
「エリスだって2位じゃないか。」
「私なんてソルの足元にも及ばないよ・・・。
まぁ、それだけ頭がいいなら学校を少しぐらい休んでもみんなに遅れは取らないわね。」
・・・どうしても魔法を使いたくて死ぬほど勉強したからな。
授業が終わった。
「ね、座学ばっかりだったでしょ?」
「でも来週から実際に雷撃魔法を使う実習があるみたいだな・・・。憂鬱だ。」
「大丈夫!私が何とかするから!」
「あぁ、たのんだよ・・・。」
トントン
突然肩を叩かれた。
「はい?」
「おう、お前がソル・キアスターか?ちょっと付き合ってもらうぞ・・・。」
巨漢のマッチョが佇んでいた。
「いいですけど、あんまり彼女を怖がらせないで下さいね。」
「わかったよ。さっさと付いてこい。」
エリスはガタガタ震えている。
おい、エリス、お前も呼び出してカツアゲみたいな事してただろ、何怖がってんだよ。
っとは口に出さないでおいた。
付いていくと、高学年の校舎に入っていった。
「な、何されるのかな・・・。」
「お前みたいな事はしないと思うけどな・・・。」
「はぁ?」
「すみません。」
「おうおう、仲いいなお前ら夫婦喧嘩か?1年生なのにお熱いねぇ。」
「「違います!」」
「仲いいじゃねえか。」
エリスは顔が真っ赤になってた。
「ここだ・・・、入れ。」
「あなたは入らないんですか?」
「おう、俺はお前を連れてこいって言われただけだからな。」
バルト・ガルロス研究室
誰かの研究室みたいだな。
意を決してドアを開けて中に入る。
「失礼します。」
「お、待ってたよ、1年生のリーダー、ソル・キアスター君、とエリス君かな、まぁ、入った入った。」
そこには、体育祭で5年生を倒す時にアドバイスをくれた4年生のリーダーの人がいた。
「自己紹介をするよ、僕の名前はバルト・ガルロス。一応4年生のリーダーでこの研究室の主任をやっている。よろしく!」
「お久し振りですね。今日は俺になにか用があるんですか?」
「おっ、そうそう!君に頼みたいことがあるんだよ。
まぁ、その前にこの研究室の事を説明しないとね。
この研究室は僕が主任となって234年生の20人ほどで作られている。
研究対象は主に古代魔法技術や古代魔法そのもの。」
「それで俺の古代魔法である、強化魔法に興味があると言うことですか・・・?」
「おぉ、話が早くて助かるよ。どうだい?研究に協力してくれないかな?
あっ、もちろん君にもいい事があるよ?」
「いい事とは?」
「僕も後1年と少しで卒業だ。それで座学でも優秀な君にこの研究室を譲りたいと思ってる。
この学校では卒業するまでに論文を発表しないといけない。それには研究室は必要になってくる。自分の研究室を持てたらけっこう有利になるんじゃないかと思うんだけど、どうかな?」
「・・・そうですね。」
「うんうん、悪い条件じゃないと思うんだけど。」
「分かりました。協力しましょう。」
「ありがとうソル君!
これで僕の論文もいい出来になりそうだ。」
「それで、協力というのは。」
「あぁ、そうだね、じゃあ毎週放課後ならいつでもいいからこの研究室に顔を出してくれよ。その時に身体能力や強化魔法についてのデータを取りたいと思っている。」
「分かりました。」
という訳で、早くも研究室が手に入った(様なもの)。
これで論文も書きやすいだろうし、以外と楽に卒業できそうだな。