体育祭5
エリス サイド
体が重い、ソルの魔法が発動したんだろう。
望遠魔法を発動させる。
見つけた!不自然に光ってる箇所がある。
多分あそこに5年生の拠点があるんだろう。
ソルの作戦はこうだ。
ソルが山を覆うほどの範囲攻撃魔法を使う。
攻撃に反応した5年生の拠点を覆う結界が光るはず。
それを私が望遠魔法で発見。
1年生全てを引き連れて5年生の拠点に攻め込む。
という感じだ。
「全員、攻撃用の魔法を詠唱しながら私についてきて!5年生の拠点が見えた瞬間叩き込むわよ!」
5年生サイド
今年も棒倒しの勝利はいただきだな。
俺の得意魔法「不可視濃霧」で拠点を覆って外から視覚出来なくする。
この結界を攻撃しなければここの拠点はバレることは無い。
半日でこの山全域を攻撃して回るなんて不可能だし、今年も探し回って疲弊した時を狙って総攻撃をかけるとするかね・・・。
ズォー!
なんだこの音は?
体が重い!?
「リーダー!大変です!結界が攻撃されていて、不可視効果が無効化されています!」
「なんだと、見つかったのか!?」
「辺りにはまだ気配はありません!早く結界をかけ直しましょう!」
ぐっ、なんだよ!
恐らく範囲攻撃魔法をめちゃくちゃに撃ってたまたま結界に当たったんだろう。運のいい奴らだ・・・。
「分かった、でも発動に10人分の魔力が必要だ、手伝ってくれ・・・。」
キンッ
ボゴォ!
「なんだ!?」
攻撃されていてる!?
これは「泥榴弾」!?
「リーダー、囲まれています!」
「くそがァ!全員、戦闘準備!A班は棒の周りに物理結界を!B班は投石魔法で応戦しろ!いそげ!」
ソル サイド
目が覚めた・・・。
まだ頭が痛い・・・。
俺はベットの上に寝かされていた。
ここは・・・俺の部屋じゃないな、どこだろう。
ガチャ
扉が開いてエリスが入ってきた。
「起きたの!?大丈夫?」
「ん、あぁなんとか。頭がすごく痛い。」
「まだ寝てないと!」
「分かった・・・。ここどこ?」
「私の部屋、ソルの部屋鍵かかってたから・・・。」
「あぁ、そうか。」
気がついたら勝手にエリスが入って来てることがよくあるので鍵を締めるようにしてたんだっけ。俺も年頃の男の子だから、いきなり入ってこられて困ることもあるしな。
「体育祭は・・・?」
「1年生が優勝したわ、ソルのおかげよ。」
「そうか、そりゃ良かった。」
頭も痛いし、体も痛み始めた。とりあえず目を瞑っておこう。
なんかいい匂いするなここ・・・。
「お疲れ様、ソル・・・。」
「あぁ。」
俺はもう1度眠りについた。