体育祭4
今の5年生のグループは今まで4年連続で棒倒しで優勝している。
作戦はいつも同じで、最後の最後まで雲隠れして出てこない。
他の学年が一つになり、かつ疲弊した時に現れて、勝利をさらっていくという感じだ。
だから今回は今年入学した1年生以外の2、3、4年生で結束して、山の中を全て探し、まず5年生の棒を見つけようってことになっていたらしい。
だから守りが薄かったのか。
「よし、5年生探しに行こう。」
「あてはあるんですか?」
「無いね、歩きながら考える。」
にしてもきついな、今まで4年間1度も見つかってない。それを2人で探さなきゃいけないとは。
なんか道具でも持ってきて方が良かったかな。
「そう言えばエリス、いい杖は見つかったか?持ってないみたいだけど・・・。」
「持ってますよ、ここに。」
エリスの指に青い指輪が光っている。
てか俺があげたやつだった。
「そんな安物使わなくても、もっといいのがあるだろうに」
「ソルがくれた物だからいいんです。」
「そうか・・・。」
なんか照れるな。
やつらは多分特殊な結界を使ってるんだと思う。視覚出来なくしたりそういう効果が付いた・・・。
そう言えばさっき結界を攻撃した時気づいたんだけど、結界って触ったら光るんだよな・・・。
あ、いいこと思いついた。
「エリス、お前が知ってる中で1番攻撃範囲が広い魔法って何?」
「1番・・・「魔王最期」って言う大規模破壊魔法かしら。」
「それってどんなの?」
「魔王が封印される間際に使ったとされる大規模爆破魔法よ、この山3つくらい吹き飛ばせる威力はあると思うわ」
「それはやりすぎだな。」
「使うつもりだったの!?半分神話みたいな魔法よ、存在するかも怪しいし。」
「そうか、じゃ丁度この山全体が攻撃範囲であまり殺傷能力が無い魔法ってある?」
「それだったら「重力収縮」っていう、重力の出力を上げる魔法があるけど。」
「それだな、よし、それ使おう。エリス、この指輪にその魔法記録してくれ。」
「それって魔力を流し込むだけで魔法が発動する指輪よね。別にいいけど、発動は無理よ。」
「なんで?」
「重力収縮は詠唱に2時間超かかるし、300人分の魔力が必要よ今から人を集めるなんて出来ない。」
「そっか、じゃあその魔法記録して、拠点にもどってみんなに全力で結界魔法を使うように言ってくれ。」
「えっ!?ちょっ!」
2時間後、やっと術式の構築が完了したみたいだ。
発動する。
「っ!?ぐ、がっ!」
頭が割れるように痛い、なるほどこれが龍脈術を無理に使った代償か・・・。父さんの手帳にも書いてあったな。
指輪も魔法の出力に耐えきれずに割れてしまった。
でも魔法は発動したようだ。
体がものすごく重い・・・。
意識が・・・。後は頼んだぞ、エリス・・・。