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始まり
魔王がたおされた。
偉大なる大魔法使いキール・キアスターとの戦いのすえ、封印されたのだ。
この知らせが人間界に伝わり、三日三晩宴が催された。
誰しもが喜びを口にする中、ただ一人泣き続けたものがいた。
それは少年で名をソル・キアスターといった。
魔王を封印したキールは魔王の呪いで戦闘後、息を引き取る。魔王討伐部隊は全滅だった。その部隊にはキールの妻も含まれていた。
キールの一人息子であるソルは孤児院に入ることになった。
残されたのは父の形見の手帳だけだった。
12歳、ソルは孤児院で自分の夢を語る。
「僕も父のような魔法使いになりたい。」
こうして長きに渡り語り継がれる魔法使いの物語が幕を開けた。