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♯3サンソク
『ソウ』目の前の能面が甲高い声でそう言った。
「キャーーーーーー」私は悲鳴をあげると能面を押した。
するとバランスを崩したのか能面は尻餅をつくようにして倒れその隙に私は立ち上がって山を凄い早さで下った。
後ろからあの気持ち悪い甲高い声を上げながら能面が追ってくるのがわかる。
振り返ると体を動かさず膝を曲げない異様な走り方で追いかけてくるのがわかった。
もうどれくらい走っただろうか?気がつくと山は開け、目の前には海が広がっていた。
そして私の記憶は途絶えた。