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生活魔法が強すぎるんだが?  作者: 晨具
悪魔の子供
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悪魔の剣闘士

 「じゃあ、フロイト、タット、達者でな。タットにはもっと長く居てもらいたかったんだが、旅に出たいんじゃ仕方ないか。」


 「うん。ボクはもっと外の世界を見てみたいんだ!」


 6歳になった俺だが、回復魔法は一向に上手くならず、やはり教会を去ることになった。 

 タットも教会には残らず、旅に出たいと言って俺と同じくここを去ることになった。


 

 「「神父さん、シスター、いままでありがとうございました。」」


 そう言ってここを後にしようとしたが、神父に呼び止められる。


 「フロイト!お前は僧侶だろう。これを持っていきなさい。」


 「これは、杖ですか。」


 「そうだ。僧侶は戦闘には向かないからな、まあ安物の武器だから構わず持っていけ。」


 そういって、長さ120センチ程度の木の杖を貰った。

 前世では合気杖の師範にまでなった俺だから、これは嬉しい武器である。

 他にも数々の体術をやっていたが、杖術が一番しっくりくる。まさに僧侶っぽい。



 「タットにはこれだな。」


 タットは賢者なので本を貰っていた。

 聖書には魔力を高める効果があるというが、タットの魔力からすると雀の涙ほどだろう。



 「「お世話になりました。行ってきます!」」


 「タット、お前はいつでも帰ってきて良いんだからな。」



 おい!俺は帰ってきちゃダメなのかよ。

 よろしければ俺を気遣え!



 そんなツッコミも出来ないまま、俺たちは教会を去った。




 教会を去ることしばらくして、タットが声をかけてきた。



 「フロイトくん。これからどうするの?」


 「バイトって手も考えたんだけど、やっぱり闘技場かな。」


 「闘技場!?フロイトくん大丈夫なの??」


 「たぶん大丈夫だよ。死なないように頑張るさ。」



 この世界では、6歳でお金を稼ぐ方法なんて限られている。

 バイトをするか、闘技場の剣闘士になるかだ。


 冒険者ギルドに入るには年齢制限があり、10歳にならないと入れない。

 勝手に魔物を狩って売るのも良いのだが、子供相手では舐められ足元を見られてしまう。



 「そっか、フロイトくんとはここでお別れだね。少しだけどボクが稼いだお金あげるよ。」


 そういって1000Gを貰った。

 おおタットよ、なんとも優しいやつだ。


 「ありがとうタット。無一文だったから助かったよ。タットはこれからどうするんだい?」


 「ボクは魔物を狩って素材を売ったり、即席回復屋をしながら旅をするかな。」


 なるほど。

 魔物を捕食してスキル集めをするのかな。

 生活厳しそうだけど、何年後には有名になっているだろう。


 「そっか、じゃあまた会ったらよろしくな。その時は1000G返せるよう頑張るから。」


 「いいって、いいって!返さなくていいよ。じゃあまたどこかでね。フロイトくん!」


 「おう!またな!」



 何年も一緒に過ごしてきたが、タットは礼儀正しくていいやつだ。まあ、少しばかりエロい気もするが。

 次会った時にはハーレムでも作ってるんだろうな、

 うらやましいなぁ....「補食」



 そうして、俺はタットと別れた。





 「え、剣闘士登録ですか?」


 「はい!剣闘士登録です!」


 「失礼ですが職業は?....僧侶ですか、わかりました。登録いたしますね。」


 受付嬢に驚かれはしたが、俺は無事に登録を済ませた。



 「いまから剣闘試合申請したいんですが」


 「えっと、今日は剣闘大会があるので試合申請出来ないんです。」


 そうか、今日は剣闘大会の日か。

 剣闘大会とは、トーナメント戦で優勝賞金が出るという大会だ。

 もちろん勝ち進むだけでファイトマネーは貰えるのだが、優勝賞金はとんでもない。

 大会によっては、一年遊んで暮らせるほどの賞金が貰える。



 「じゃあ、剣闘大会に申し込みします!」


 「ええっ!?剣闘大会ですか!!まあ、今日は小さい大会だから大丈夫ですが....。わかりました。登録しておきますね。」



 よし!無事に登録できた。

 まあ、負けても良い勉強になるだろう。

 俺には回復魔法があるんだから、多少のケガくらい簡単に治せるし....


 いや、ちょっと不安になってきた。

 しっかり鍛えたのは魔力くらいだし、俺ってかなり脆いかも....。

 まあ、死なないよう頑張ろう。



 そうして俺は剣闘大会に参加した。

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