フロイトと神授業
昼休みをはさみ、俺たちはグラウンドに来ていた。
3時限目は剣術の授業だ。
飯を食ったあとに動くのはちょっと考えたほうがいいと思う。
「剣術A担当のアルミンです。剣術授業はいろいろ種類あるけど、剣術Aは剣だけで戦う剣術の授業だよ。盾も道具も魔法も使わないから、剣士以外の職業の子にはあまりオススメしないかな。」
剣術A担当のアルミン先生は、俺の模擬戦を担当していた先生だった。
授業は、基本の足運びと素振りを学ぶ。
足運びを身体に刻み込むまでひたすら行い、素振りも40分ほど休まずやった。
この先生意外とスパルタだ。
何人かの生徒は腕が疲れて動かなくなっていた。
「今日は初日だからこんな感じだけど、慣れてきたら試合をしたり、流派も教えていくから安心してね。」
やっと授業が終わる。
とても長い90分だった。
タットも授業を受ける前とは違って、明らかにぐったりしている。
シュナちゃんに至っては目が死んでいる。
やっぱり理想と現実って違うよね。
☆
「リンダさんどこ行ってたの?もう授業始まっちゃうよ?」
「ちょっとお花摘みにね。」
本日ラストの授業は神語学。
転職加護試験に受かった俺からすれば、全くいらない授業だといえる。
「神語学担当のデスク=トップです。神語学は神の試験を受けるときに必ず使います。神の試験を受けたいという者はしっかり学びましょう。」
名前がパソコンみたいな先生は、少し太ってるおばさん先生だった。
回復魔法加護の証の腕輪がキラリと光っている。
良い言い方をするなら、包容力の豊かな女性という印象。
「神の試験がどんなものか分からないという方も居ると思いますので、具体的に説明致しますね。もしかしたら、話を聞いて受けてみたいという方も出てくるかもしれませんからね。」
デスクトップ先生が神の試験について説明する。
試験は全部で7種類。
転職加護・回復魔法加護・攻撃魔法加護・光属性魔法加護・近衛神父・神聖魔法・会合試験。
転職加護試験は俺が合格した試験だ。
転職魔法が使えるようになる。
回復魔法加護試験は、回復魔法を教えることができる試験。
神語と回復魔法レベル10の知識を必要とするが、比較的簡単で3年は勉強すれば取れる。
合格すると、人に回復魔法を教えることが出来る。
まあ、劣化転職魔法だ。
攻撃魔法加護試験は、攻撃魔法を教えることができる試験。
回復魔法と違って、レベル10にするのがあり得なく難しいので合格した人は誰もいない。
これも劣化転職魔法。
光属性魔法加護試験も、光属性魔法を教えることができる試験。
これも同じく合格した人は誰もいない。
劣化転職魔法。
近衛神父試験は、サンクの大教会に勤務するための試験。
神が生み出す魔物と戦い、打ち勝つことで合格できる。
合格の際には、邪心や煩悩を神に吸いとられるらしい。
非常に恐ろしい試験だ。
神聖魔法試験は、回復魔法加護試験と攻撃魔法加護試験と光属性魔法加護試験の3つを合格したものだけが受けられる試験。
内容は知らないし、神聖魔法というものもがどんなものなのかは誰も知らない。
会合試験は、受けるための条件すら分からない。
神に会えると言われているが、受けられた者は居ない。
とまあ、こんな感じで計7つ。
これが神の試験だ。
「ボクこの授業受けようかな。」
タットがデスクトップ先生の説明を聞いて、神の試験に興味を持つ。
「俺と同じ転職神父にでもなるの?」
「ううん。神聖魔法試験を受けてみたいなぁと思ってね。どんな魔法か気にならない?」
なるほど。
確かにタットの攻撃魔法や光属性魔法はスキルレベル10にだからな。
もしかしたら合格するかもしれない。
てか、攻撃魔法加護試験や光属性魔法加護試験は受かる気でいるのね....?
「神聖魔法は確かに気になるけど、なんとなく想像つくよ。多分この実体化の腕輪みたいな魔法が使えるんだと思う。」
俺は、優勝商品として貰ったゴーストを実体化することが出来る魔道具「聖者の腕輪」をタットに見せる。
「その腕輪って魔道具だったんだ!というか、その実体化の魔法って何?」
「ゴーストを実体化させる魔法だよ。ゴーストに肉体を与えることが出来るから、魔法が使えない剣士とかに便利。」
そう説明すると、タットが食い付いてきた。
「え!そうなの!?今日それ貸してくれない?ボクちょっとゴースト食べに行ってくる!」
授業中ということも気にせず、大きな声を出す。
おかげで俺まで怒られてしまった。
というかタットよ。
今の発言はいろいろとまずくないか?
図々しいのもアレだが、ゴースト食べに行ってくるっておかしいだろ。
見ろ、タットに溺愛してるあのシュナちゃんですら引いているぞ?
いや、シュナちゃんが引いているのはいつも通りか。
「じゃあ、寮部屋に戻ってからな。てか俺も暇だからゴースト狩り一緒に行こうか。」
そうして、タットと約束をした。
リンダはお花を摘んでたのではなく、男子生徒に告白されていました。




