フロイトとスキルレベルアップ
「それじゃあ、まずはファイアーボールを最長ルートで右手で放ってみて。」
「......こう?」
リンダの右手から、大きさ50cmほどのファイアーボールが放たれる。
魔力は15歳の平均くらいかな。
そこそこ魔力は高いようだ。
「リンダさんどうかな?いつもより1.1倍くらい大きいでしょ?」
「確かにいつもより大きい。でも発動までに3秒も掛かるんじゃ使えないね。」
タットとリンダはあまり馬が合わないようだった。
1位のタットに対抗意識でもあるのだろうか。
いつまでも、さん付け・くん付けで呼び合っている。
「んじゃ、次は左手で。」
「......こうかな?」
リンダの左手から、同じ大きさのファイアーボールが放たれる。
「んじゃ、次はウォーターボールを最長ルートで右手。その次は左手ね。」
そうやって、スキルレベルアップに向けて取り組んでいく。
魔法は、脳下部にある核から魔力を吸い取り、身体のあちらこちらにある魔力溜まりを通って、魔力口と呼ばれる出口から放たれる。
レベル1の段階では、魔力溜まりも魔力口も少ないので最長ルートを考えるのは簡単だ。
その分、魔法は弱く、右手と左手からしか魔法は放てないが。
レベル5にもなれば、口から魔法を放つことも出来るし、レベル10になればヘソから魔法を放つことも出来るらしい。
この前、タットが尻の穴からビームを出してて笑った。
「あ、魔力が尽きたわ。」
8発放ったところでリンダの魔力が尽きる。
レベル1だし魔力消費も激しいようだ。
「んじゃ、エリクサー飲んでちょっと休憩するか。」
そういって収納魔法からエリクサーを取り出して、中庭のベンチに腰かける。
「ありがとう。そういえばフロイトは魔法使えるの?0点だったみたいだけど。」
「ああ、使えないよ。俺下手くそだから魔法使うの怖くって。」
タットとシュナちゃんが変な目で俺を見てくる。
なんだその目は?
気持ち悪いからやめてくれない?
「じゃあフロイトは、魔法を使いこなしたくて学校に来たのね?カリキュラムはやっぱり魔法中心?」
「いや、暇だから学校に来ただけだよ。カリキュラムはまだ全然決めてない。」
そんな会話にシュナちゃんが入り込む。
「シュナは決めたよー!攻撃魔法学とー、ダンジョン実習とー、薬草学とー、呪文学とー・・・」
シュナちゃんはもう何を受講するか決めているようで、時間割も完成していた。
俺は予備授業を受けてから決めようと思う。
焦ったって良くないからな。
しばらく、シュナちゃんの話しを聞いていたところで、リンダの魔力が回復したようだった。
「それじゃ、次は右手でエアーボールね。その次は左手。」
そうして全てのレベル1魔法を使ったとこで、リンダのレベルが上がった。
「すごい!本当にスキルレベル上がった!わたしに才能が無かったわけじゃないのね!」
最長ルートの重要性を分かってくれたみたいだ。
リンダがとびきりの笑顔で感謝する。
まあ多分、明日の授業で習うんだろうと思うけどね。
「それじゃ、次はボクの出番だね!」
タットがそういって、最長ルートの求め方について説明する。
しかし、難しすぎるせいかリンダの頭は全くついていって無かった。
聞くのが2回目な俺でも、さわりしか分からない。
これをシュナちゃんは勉強しているんだから、シュナちゃんって相当頭良いんだな。
「――もちろん全ての魔力溜まりを通ったからといって最長ルートになるわけはなく、その距離までも最長でいかなければならないから・・・」
そんな感じでタットの説明は続き、ついにはシュナちゃんの頭もパンクした。
タットがときめかないのは去勢のせいではありません。
かなり後の話で明らかにしていこうと思います。




