フロイトとリビドーの謎
「試験はどうだったシュナ?」
俺らは試験を終えて、宿で夕飯を食っていた。
「模擬戦はまけちゃったけどぉ、他はばっちりだよ!」
さすが、タットが教えているだけあって、シュナちゃんも無事合格しそうだな。
この前、離散最適化問題のことも教えてるって言ってたし、シュナちゃんってかなり頭良いんだろう。
「じゃあ、ちょっと早いけど合格祝いでもしようかー!」
そういってタットはケーキを追加注文する。
俺には大丈夫だったか聞かないのね?
まあ、合格を確信しているからなのだろう。
「タットは模擬戦どうだった?魔法職だから結構厳しかったんじゃない?」
「ううん。そんなこと無かったよ。麻痺霧で動けなくしたら降参してくれたよ。」
おお!すごいな。
状態異常魔法を極めると麻痺霧なんて魔法が使えるのか。
さすがタットだな。
「フロイトくんは模擬戦どんな感じだったの?」
「俺は普通に杖術で勝った。」
「へぇー。やっぱりフロイトくんの杖術って先生より強いんだ....。」
なぜか少し落ち込むタット。
俺が勝っちゃマズかったのか?
そんな会話も終わり、夕食を済ませると、タットは迷わず俺に伝票を渡してきた。
――あれ?ケーキってタットの奢りじゃないの?
いつも俺が払ってるから構わないけど、ケーキはタットの奢りだよね!?
え?もしかして俺の奢りなの!?
いや、俺の方が金持ちだから気にしないけどね....。
☆
会計も済ませ、部屋へ戻ろうと歩いていると、見覚えのある茶髪でゆるふわの髪型を見つけた。
リンダ=フックスだ。
どうやら彼女もこの宿に泊まっているらしい。
「あ、リンダさん。」
俺は勇気を出して声をかける。
「えっ?あ、フロイトくんだったっけ?。何?ナンパ?」
なんだか顔に似合わない可愛くない反応。
だけど、なぜか俺の名前を知っていた。
「え?なんで俺の名前知ってるの?」
「それは、あなたのことがちょっと気になって。」
えっ、それって....?
――っと普通ならドキッっとするところだが、なぜか俺の心はちっともドキドキしなかった。
なんでだ?相手が子供だからか?
いや、それだってドキッとは来るだろう。
去勢したから?いやそんなの関係ないはず。
「筆記試験の時、最後までめちゃくちゃ気合い入れて書いてたじゃない?炭が無くなるまでやってたし....。」
なるほど、見られてたわけか。
それで列のとき俺の後ろに居たわけだね。
てか、それにしても変だ。
どう考えてもおかしい。
こんな可愛い女の子と会話してる状況でさえ、まるでドキドキしない。
なんだコレ。俺のリビドーはどこへ行った!?
「それで、私に何か用?ナンパだったら帰るけど。」
「あ、いや。君の黒魔術が気になって。あれってレベル100くらいないと覚えられない魔法なのにって思ってさ。」
「ああ、そのことね。それは、ちょっと両親が厳しくてね。」
それだけ言うと、彼女は部屋へと帰ってしまった。
うーん?やっぱり転生者じゃないのかな?
転生者だったら孤児院に預けられて名字を持たないはずだし...。
というか最近、色々なことが謎だ。
車のことや、魔力Eのこと、リンダが転生者なのかどうかも怪しいし、俺のリビドーもおかしくなってる。
やはり、外に出ると色々な変化があるもんだな。
そうして、とりあえず魔力Eの謎を解決しようと、今日も波動剣を空へ放った。
フロイトの成長
波動剣レベル4(up)
各ステータス(up)




