悪魔の子
「みんな、ご飯の時間だよー」
そういってミルクを持ってきたのはシスターさんだ。
俺は産まれてすぐに教会の孤児院に預けられた。
理由は簡単、悪魔の子だから。
全く泣かない赤ん坊は、悪魔の子と呼ばれ、こうやって孤児院に預けられることが多い。
思えば、この悪魔の子というのは転生者なのだろう。
「はーい。フロイトくんミルクだよー」
そうやって考えていると、シスターは俺にミルクを飲ませてくれる。
うん。おいちい。
「フロイトくんとタットくんは全く泣かないから、お腹が空いているのかも全然分からないわね~」
そう、ここには俺の他にもう1人転生者が居るのだ。
名前はタット。スキルはたぶん「捕食」。
タットはたまに裏庭に抜け出しては、魔力草を食べているので、まず間違いない。
この「捕食」というスキルは、対象を取り込むことによって対象の能力を知ったり得たり出来るチートスキル。
魔力草には魔力が宿っている。それを「捕食」で取り込むことで魔力を上げることが出来るのだ。
ステータスを上げれて、スキルも簡単に獲得できる、全くもってチートスキルで羨ましい。
「はーいタットくん。おっぱいの時間ですよ~」
俺のミルクを飲ませ終えたシスターがタットの方に向かって母乳を飲ませる。
「タットくんは泣かないのに、母乳しか飲んでくれないのよね~」
タットは「捕食」を使ってシスターのスキルを獲得するために、母乳を飲んでいるのだろう。
でなければ、ゲス顔で美人シスターから母乳を飲んでいるただの変態だ....
美人シスターのおっぱい。。。
うらやましい!うらやましい!
俺も粉ミルク飲むのやめようかな....
いや、今更やったってお腹空いてないと思われるだけか。
後悔しない生き方をしたかったのに、早速後悔してしまった。