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生活魔法が強すぎるんだが?  作者: 晨具
悪魔の剣士
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悪魔の弱点

 「......本当にいいのか?」


 「はい、スパッと思いっきりやってください!」


 俺がイシズさんにお願いしたのは、去勢だ。

 つまり、男のシンボルを失うのだ。



 「では、いくぞ?」



 『シュッ』っと軽い音がしてシンボルが床に落ちる。

 俺の身体にあったものが無くなった。



 「ぐぅぅぅ....」

 血だらけのそこに回復魔法を使うことは出来なかった。

 また生えてきてしまうからだ。折角切り取ったそれをまた生やしては意味がない。

 ポーションを染み込ませた布とタオルでなんとか傷口を塞ぐ。



 なぜ去勢したのか、それは弱点を無くすため。

 キ○タマを蹴られればめちゃくちゃ痛い、剥き出しの内臓だし当然だ。

 前々世では、防御力を上げても変わらなく痛かった。

 こんなの無い方が良いのだ。


 ついでに竿の方も切っておいた。

 前世でチャックに皮を挟まれた時からトラウマになっていたから。



 「ふぐぅー、ふぅー....。やっと痛みがひいてきたよ....。」


 「そ、そうか。それは良かった。」


 なんだかイシズさんに引かれている気がする、だがそんなことはどうでもよい。

 弱点を無くすためにしたことであるし、なにより女を抱くことが出来ない!

 引かれてたって構わないのだ!



 ハーレム主人公の夢もあったが、弱点を抱えて生きていきたくはない。

 俺は強くなるためなら何だってする!

 どうだ神様!これが俺の覚悟だ!


 童貞も守れないやつに女を守ることなんて出来ない!



☆


 翌朝、俺はイシズさんと稽古をしていた。

 稽古といっても、どちらが先生ということはない。

 俺はイシズさんから学び、イシズさんは俺から学ぶ。

 俺も剣舞に多少対応できるようになってきた。確実に強くなっている。



 この闘技場には剣闘士用の寮があり、一泊500Gで泊まれる。

 もちろん訓練室も使い放題で、強くなるにはうってつけだ。

 訓練室の他にも武器屋や道具屋があり、稽古を終えて俺たちはそこに来ていた。



 「やっぱり頑丈な杖が欲しいなあ。」


 俺の杖はイシズさんとの稽古でボロボロに削れていた。


 「フロイトくんは杖術以外の武術もできるのか?」


 「杖術以外だと体術くらいかな。武器は杖しか扱えないよ。」


 「そうなのか。槍なんて良さそうと思ったんだけどなぁ。」


 槍と杖の戦い方は全然違う。

 杖は持ち方を頻繁に変えながら臨機応変に対応するのに対し、槍は攻撃特化の武器。

 貫くように全身で突く槍と、押し出すように軽く突く杖。

 杖に慣れてしまっている分、槍は特に使えないだろう。


 「おじさん、これが欲しい。」


 「あいよ坊主、7000Gだ。」


 そうして俺は、鋼の杖を手に入れた。

 値段は結構したが、これなら簡単には壊れないだろう。

 まあ、武具成長スキルがあれば武器なんて買わなくて済むんだけどね..。


 そこまでチートじゃないスキルだけど、羨ましいね。




☆


 「じゃあねイシズさん。行ってきます。」


 「ああ、応援してるよ。」


 2人で昼食をとったあと、俺はイシズさんと別れる。

 剣闘試合があるからだ。

 14時と18時の2試合。

 ファイトマネーは前回優勝したこともあり、50Gから280Gに上がった。

 それでも生活するのに精一杯だから、これからどんどん戦っていかないといけない。




 「勝者フロイト!」


 俺が子供ということで相手が油断していたこともあり、2試合とも杖術と気絶魔法だけで勝利した。

 ファイトマネーも300Gに上がり、良い調子だ。

 


 闘技場の食堂で夕食をとっていると、


 「おい坊主、ちょっと面貸せや。」


 昨日の決勝戦で戦った戦士だった。


 「昨日は不意打ちしやがって、今から正々堂々勝負しようぜ!」


 「えっとバルムさんでしたっけ?暇なんで良いですよ。」


 「バーツだよ!バーツ!誰だよバルムって、ちゃんと名前覚えとけよ!舐めやがって。」


 バルムじゃなかった。バーツだった。

 まあ、おっさんには興味ないから仕方ない。

 こうして、俺はバーツおっさんと訓練室へ向かった。



 「あの時は子供だと思って油断してたからな、準備万端で行くぜ!」


 そういって、収納魔法から偏光グラスを取り出す。

 いいなー収納魔法。

 あれホント便利なんだよねー。


 「こっちも準備万端だから、いつでも良いよ。」


 「よっしゃ、じゃあこのコインが落ちたら始まりの合図だ。いくぞ!」


 チャリンッっと音がしてコインが落ちる。

 試合開始だ!



 バーツの武器は昨日と同じ方手斧。その攻撃を鋼の杖で受ける。

 うん、大丈夫だ。壊れはしない。

 斧の攻撃をしっかり受け、隙をみては杖で突く。


 「くっ、なかなかやるじゃねえか坊主。」


 なんでコイツ一度負けてるのに上から目線なんだ?

 そう思いながら、杖術でバーツを圧倒する。



 と、そのとき!

 「ズボッ」


 俺の右足が地面に膝くらいまで沈む。

 罠魔法だ。バーツは罠魔法が使えるらしい。


 体勢を崩し杖で身体を支えていると、

 バーツが投げナイフを飛ばしてきた。


 「ちっ!避けられたか。」


 なんとか避けたが、コイツ俺を殺す気か?

 完全に喉を狙ってきてたぞ。

 これはちょっと本気でやるか。


 俺は杖を手放し、体術に切り替える。


 まずは雷の生活魔法でバーツの片膝を地面に着かせる。

 そして膝の着く地面を土の生活魔法で凹ませ、膝をすっぽり地面にはめる。

 身動きを取れない一瞬を狙い、キ○タマ目掛け蹴りを放つ。


 「ぐおおおおおおおおお!!」


 よし!決まった!

 

 最後に、かわいそうなので回復魔法で気絶させ無事に勝利した。


 去勢って大事。



☆


 「今回は俺の敗けだ。だが次は負けねえからな!」


 目を覚ましたバーツはそう言って去っていった。

 しかし、罠魔法は危なかった。

 確かに戦士ならレベルを上げれば覚えるスキルだから意外ではない。

 ちょっと油断していたな。


 「あ、あいつ投げナイフ忘れてんじゃん。もらっとこ。」


 投げナイフを懐にしまい、俺も訓練室を出た。



 風呂に浸かりながら今日の反省をしてみる。

 戦ってみて収穫もあった。

 土の生活魔法も戦闘に使える。

 小さい穴しか作れないが、膝をはめれば一瞬身動きが取れない。


 片膝着かせて地面にはめるまでがセットだな。

 まあ、罠魔法を覚えればもっと強いんだけど。



 しかし今回は、色々危なかった。

 かすったナイフに毒が塗ってあったらまずかったし、バーツが去勢してたらあんなに怯まなかっただろう。


 「....運が良かったな。」


 本日の反省を生かして、また次に繋げよう。

 とりあえず去勢は大切。

この世界には、体術スキルや剣術スキルはありません。

修練あるのみです。


杖術は如意棒をイメージすると分かりやすいと思います。伸びたりはしませんが。

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