6.とりあえずおしまいです
自分でも、ただ思いつくままに書いた短いお話でした。
ただ、パンツだブラジャーだとクリスマスいっぱい引っ張った自分のヘンテコ加減は、来年も忘れないでいたいと思います。
気絶している下着泥棒を警察に引き渡した後、玲子の運転でコインランドリーに戻る事にしたのだが、その最中に玲子から
「ねぇ、なんでノーパンなの?」
とあまりにも繰り返し聞かれたので正直に理由を話す。
洗濯のサイクルがうまくいっていないこと。
そのせい(ばかりではないけど)で、パンツを裏表ひっくり返して何日も履いていること。
あんまり洗ってない下着をつけてたからなのか、かゆくなって、コインランドリーで脱いで洗おうとしてたこと。
一部始終を聞くと、玲子はひーひー言いながら笑った。
「まどかちゃんてば命の恩人だし、取り返したパンツ何枚かあげようか?」
「……すごくいりません」
往路とは打って変わって穏やかになった玲子の運転でコインランドリーに戻ってくると、店内にはまだぼんやりとしたジャズが流れている。
(もう疲れたし、帰って寝よう)
だが、精神的に疲労困憊のまどかに突きつけられる現実は、至極非情だった。
もう、洗濯物を入れたごみ袋を取り落しそうなくらいの衝撃。
「玲子さん」
「どうしたの?」
「私のパンツとブラだけ消えました。 全部」
「え~」
ノーパンノーブラの生活がしばらく続きそうな見通しに、まどかは膝から崩れ落ちた。
おしまい
最後まで読んでくださっている人がいたとすればありがとうございます。
コインランドリーで洗濯物を持って行かれるトラブルは、体験した人にしかわからない絶望感があるので、持っていく人も持っていかれる人も皆様お気をつけください。