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第70話、因果は巡る?

大巫女 白鳳院 司華(しか)と前世の魔王 瑠瑠奈(るるな)(ののし)り合いが続く。


前世の因縁がからんだソレは(はた)から見ていると只の幼児の口喧嘩である。



今まで聞かされた前世の話を整理すると・・・、


前世の俺が死んだ後、


勇者パーティはやる気を無くし魔族との戦いからリタイヤ。


田舎でスローライフを始めてしまったらしい。


それまで魔族の軍勢と戦っていた主力を失った人族は劣勢となり、

やがて魔族が世界征服を果たしたそうな。


目的を果たした魔王だったが、

生きる事がつまらなくなり自らの魔力を暴走させて自爆。

世界全てを道連れに自殺したらしい。


その自殺した魔王が生まれ変わったのが我が家の隣りに住む瑠瑠奈(るるな)


そして、敗戦した国の女王が大巫女?白鳳院 司華(しか)だ。


お互い前世の因縁が深い仲と言える。 



「なんじゃ、騒がしいと思えばシカも居たのじゃな」


《《俺の家》》のドアを開けてメメ達が顔を出す。


「何でロックしてた俺の家からお前らが出て来るんだよ」


「ちっちっち、それは愚問だね。日本一の斥候な私が居るのだよ。マコっち」


轟 春奈 (とどろき はるな)がドヤ顔で自慢しているが、知人だろうと他人の家のカギを開けて侵入するのは犯罪だからな。


「お主たち・・・同棲していたのか。ハーレム野郎だな」


「違うわ!。俺にそんな色気が無いの知ってるだろうが!」


「お主にその気が無くとも飢えたメスどもはどうかな?」


「ふん、白々しい。わざわざマコトの家まで押しかけて来たメス鹿は二人きりで何をする気だったのじゃ?」


「鹿呼びするな!私ならハーレムなど作らん、独占するからな」


「ふん、どっちが飢えたメスじゃ」


俺んちの玄関先でキヤンキャン騒ぐ二人。えらい近所迷惑だ。犬かよ。



ん?・・・普通じゃ無い気配が静かに近づいて来る。


目の前に停車したのは平和な日本では浮いてしまう大きさの軍用車。


「どうやら迎えが来たようだ。

心配するな、私はマコト争奪戦に参加する暇など無い」


キビキビと鋭い動きで自衛隊員が降車してくる。


物々しいお迎えだな。


「今日マコトに出会えたのは運命か幸運か・・・

今度はいつ会えるか分からないが、元気でなマコト」


司華(しか)はそう言って右手を差し出して来る。


分かれの握手?・・・存外 しおらしいな。


彼女の冷たい小さな手をにぎる。


「ふっ、まだまだ甘いなマコト。

現人神(あらひとかみ)よ 我と共にオロチ退治に行くぞ」


「な・・・に・・・」


急激に意識が遠のいていく。これは司華(しか)の特殊能力か?




*****司華(しか)視点。



今の地球上で最強の男、藤原 (まこと)が我が手によって崩れ落ちる、が

護衛のSPが倒れる前に彼を確保してくれた。


いや、比喩でも冗談でも無く、我が目で見通したマコトの能力は世界すら滅ぼせる

最強の力だった。


現に彼の記憶には一つの見知らぬ世界を滅ぼしたであろう光景が残されている。



「因果は巡る・・・か。すまんな マコト。

さぁ、当初の予定通り目標は確保した。

すぐに出発するぞ」


護衛のSPと自衛隊員に指示を出す。


私はマコトのハーレムには参加しない、何故なら

すでに私のものにしたからだ。



司華(しか)ぁ貴様、兄様をどうする気じゃ」


「おっと、動くなよ。私の邪魔をするなら公務執行妨害だ。

天下無双の勇者パーティも地球上ではただの小娘。

国家権力には勝てないぞ」


「ぐっ、きさま~またしても」


呪い殺すような皆の目が向けられている。


次にダンジョンの中で出会ったら本気で殺されるかもな。



隊員の手を借りて大きな装甲車に乗り込む。


「函館港にはすでに護衛艦が待機しております」


「うむ、何とか海上で迎え撃てそうだな」


「はっ、・・・・・」


ふっ、さすがに不安か。無理も無い。


これから国家の脅威に立ち向かうと言うのに 迎撃の主力が言わばガキ二人なのだ。


アメリカ海軍すら一目置いている海上自衛隊員の精鋭と言えども我ら二人の能力は

計り知れないのだろう。



因果な事だ。前世に続きこの人生でも我が肩には国の命運が圧し掛かっている。


自分の思いとは関係無く心の友さえ死地に送り出さなくてはならない修羅の宿業。


せめて此度(こたび)は誰が何と言おうと 好いた男と共に火中に飛び込ませてもらうぞ。


立場?、知らんがな。




********マコト視点です。




唐突に目が覚めた。


微かに上下の揺れが感じられる。


船の上?、しかし恐ろしく静かだ・・・エンジン音も振動も感じない。


「目が覚めたか。完全に気を失った後と言うのは全ての疲れが抜けて爽快らしいな。最新式の護衛艦の乗り心地はどうだ?素晴らしいだろ」


気絶させ拉致した犯人が ぬけぬけと言う。


「拉致監禁が趣味なのか?。とんだ変態の巫女様だな」


「おかげで二人きりのクルージングができたぞ。無骨な船なのは残念だがな」


狭い船室で寝ている俺に寄り添うように司華(しか)が座っている。


彼女の顔は俺を誘拐した罪悪感など微塵も無い、優しく楽し気なものだ。



「で、理由を聞かせてもらおうか」


「二人きりになりたくて、な?」


「はぐらかすな、俺は自分の行動を阻害されるのが一番嫌いなんだが」


「・・・冗談はともかく事情が変わったのだ。

ヤマタノオロチならぬ 腐れドラゴンが進路を変えて日本に向かっている。

現人神(マコト)の出番だぞ」


「神話ではヤマタノオロチの退治は神様の不良息子の役目だったはずだが」


「ははは、何を言うかと思えば。

お主は子供を作る気などさらさら無いだろうが。

少子化の原因め、その責任取ってお主が退治するべきだ」


権力者の都合が良い国民(てごま)を増やすために余計な苦労なんてするかよ。


このまま一人で生きる事を楽しむだけだ。



「ティート・・・今度は勝てるのだろう?」


「何回 魔族の軍団を消して来たと思ってんだ?。

誰かが邪魔さえしなければ我が法陣の敵では無いわ」


シカが前世の俺の名で聞いて来たので前世の上から目線の言い方をしてやる。


「ふふっ、懐かしい口上だな。

今回は私も足かせには成らんよ。

存分にリベンジしてくれ。

報酬には私をやろう」


「そんなのいらねえ。くれるなら・・・金をくれ」


「ははは、だろうな。

ならば正式に依頼しよう。報酬に我が全財産の200億をやる」


「すごいな。公金横領でもしてるのか?」


「アホぬかせ。私の功績を考えれば今の数倍の資産が有ってもおかしくないのだぞ」


「巫女って儲かるのな・・・霊感商法ってやつか?」


ゴン☆


「はぁー、前世の大魔導師も思考のスケールがセコくなったものだな。

私の判断一つで国民が虐殺され、土地が荒らされる。

それだけでは無い、言葉を間違えただけで何兆円もの

損害が出るかもしれない極悪なストレスに晒されるのが国の運営だ。

高い報酬は当然だろう。仕事の重みが違うわ」


まぁ、探索者は責任持つのは自分と仲間の命だけだからな。


ある意味、気楽なものだ。


国民すべての命に責任ある立場なら胃に穴が開きまくりだろう。



コンコン☆ 「失礼します」


「入れ」


ガチャッ☆


「あと五分で目標地点です」


「了解した」



「何処に向かっているのかな?」


「位置的には北海道の西、領海ギリギリのあたりだな。

モスクワが消し飛んでロシアは国として機能して無いから遠慮は要らないのだがな、

国際法は守らないと日本らしくないだろ」


「確かに以前ならケチが付く微妙な場所だな」


「あの腐れドラゴンを倒したとしても海洋汚染は免れないが

せめて日本から出来るだけ遠ざけたいのだ」


その点は賛成だ。これ以上 美味い海産物が減るのは悲しい。


船室から出て甲板に向かう。


徐々に気温が下がり・・・甲板に出れば そこは極寒の地獄。


「うおっ、さぶっ」


しかし、さすが周りの自衛官は平然と仕事をしている。


いや、無理だって。普通の防寒着じゃ耐えられない寒さだ。


「ははは、先に寒さで死にそうだな。ほれ、結界を張ったぞ。シャンとしろ」


たっ、助かった。冬の日本海を舐めてたわ。


「そんなので本当に勝てるのか?」


次元素の攻撃なら勝てるのは間違いない。


俺は空に向かって初歩の攻撃魔法、ファヤーボールを打ち上げてみた。


「良かった。普通に攻撃魔法も使えるな」


「「「「「えっ!」」」」」


近くに居た自衛官が驚いてている。


外で魔法が使えるとバレてしまった。


だがドラゴンと戦うなら隠し通せるはずも無い。


「お前のせいで俺の平穏な日常は終わりなるな」


俺はジト目で司華(しか)に文句を言わせてもらう。


そして、小さかった敵影は特撮の怪獣並みに巨大な姿を晒していく。


醜悪なその見た目だけでも人を恐怖させるには充分だ。


さしもの自衛官たちも甲板上で硬直している。




さて、久し振りの大物退治だ。




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