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空き教室の僕と彼女①

…ーこれは僕の唯の一人言だ。

 この世界は生きにくい。

 生きる事をやめたくなるほど生きにくい。

 「ならさっさとフェイドアウトしなよ」って言われてもしないのは、この世界に未練があるからなのかただ自ら命を絶つのが怖いからか。

 どっちにしろ今は生きているということだか、ある程度周りに合わせないといけないのが面倒臭い。

 その他にも色々と規制やデリケートな問題が表面化してからSNSで軽い気持ちで呟けなくなった。

 何気ない一言で直ぐにSNSは炎上し、その事に謝罪することになるかもしれないから。

 画面上だけじゃ無く対面でも同じ様なものだ。

 本当に面倒臭いし、疲れる。

 同調、共感、協調どれも嫌いだ。

 嫌いだから1人でいるのに周りは可哀想な目で見てくる。

 本当に面倒臭いー…


「面倒くさいって理由で1人でいるのに周りの目が気になるって…。ふふっ、君って捻くれ者だね」

「笑うなよ!これはただの僕の独り言だ!それにまだ終わってないのに割り込むな!」

 僕の隣に並んで座る彼女はくすくすと笑う。

「でも、なんかわかるなぁー。私も面倒臭いなぁ、1人になりたいなぁって思うもん。でもずっと1人だと寂しいから周りに合わせちゃうんだよねー」

 割り込むなって言葉を聞き流され、僕は彼女に抗議の目を向けるが微笑み返された。

「…じゃあ此処に来るなよ。大体クラスの人気者がこんな所で彼氏でも無い男と2人きりでいる方がおかしいだろ」

「えー?やだよ。だって此処は私の回復場なんだもん」

 そう言ってイタズラに微笑む彼女が何だか眩しくて顔を逸らしてしまった。

 というか、なんでこんな話をする事になったのか。

 始めは勉強の事を話していた筈なのに。

「放課後であまり人が来ない空き教室だからって、油断して誰かに見られて変な噂になったらどうするんだ」

「別に君となら噂になっても良いけど」

 揶揄いの色を含んだ顔で僕を見る彼女と瞳が合い、僕は自身の顔が赤くなるのを感じた。

 幸い今は夕暮れ時、顔色に気づかれないはずと信じ僕は立ち上がる。

「今日はもう帰る」

「え?もうそんな時間?本当君と話してると時間があっという間に過ぎちゃうね」

 荷物を持って扉へと向かう僕に彼女が声をかける。

「また明日!」

「…あぁ、また明日」

 彼女に背を向けたまま返事をし、扉を開けて僕は下駄箱へと向かった。

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