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これまでのあらすじ
実力を伴わない正義感を空回りさせた俺は、結果として家にも学校にも居場所を無くし、逃げる様に入った小さな神社で生まれ変わりを願った。果たしてそれは聞き入れられたのだが、俺が転生したのは剣と魔法の世界、その中で勇者と敵対する魔王の四天王、そして今正に勇者パーティーに倒されたばかりの魔神エボニアムだったのだ。
"不滅"の能力で即座に復活し、何とか戦いの場から逃げおおせて自分の国へ帰ったのだが、その国の首長という役目は政治など素人の俺にはもちろん務まらなかった。更に逃げる様に隣国ザキラムの魔法学園に召喚魔の体で潜り込んだ。そこで召喚魔の待機用施設への破壊テロを阻止しようと奔走したり、ドラゴンの出現という国家を揺るがすレベルの事態に対応したりしたが、結局は正体がバレてそこにも居られなくなってしまった。そして俺の中にはその一連の破壊テロを主導した第三の国、ビリジオンへの遺恨だけが残ったのだった。