表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/17

おう吐と病気

 子どもはよく吐く。胃腸風邪で吐くし、走りすぎて吐くし、食べ過ぎて吐くし、嫌いなものを食べても吐く。

 保健師の先生から、子どもがマーライオンみたいな吐き方をしたら病気の可能性が高くて、それ以外なら病気の可能性は低いということを教わったことがある。あくまで簡単な見分け方だけど。


 僕はインフルエンザとか、胃腸風邪などの人に感染する系のものは全て子どもからもらっていた。経験を重ねるごとにもらわなくなったけど。

 ちなみになぜかコロナだけはもらったことがない。コロナで休んでる場合じゃないだろうという気合のおかげだろうか。しかし、コロナの予防接種で40℃越えの熱を出し4日間寝込んだことが2回ある。結局はコロナ関連で休んじゃっている。


 僕は子どもが吐くときは反射的にソレを自分の手で受け止めてしまう。ソレはめっちゃ生温かい。

 それで保健師の先生によく叱られていた。「感染性のものだったらどうすんの?なに直接触ってんの?」という至極真っ当な内容である。

 でも、つい手が出ちゃうのである。抱っこしてて吐くときも、給食の時に吐くときも、つい手で受け止めちゃうのである。


 S先生と担任をしていたとき、S先生は「給食を減らしたならそのあとは完食しなさいよ」というルールを作り、子どもも僕もとても大変だった。

 なぜなら、嫌いなものを食べると必ず吐く子がいたからだ。

 一口食べただけで吐く。それを僕が手、もしくは食器で受け止める。その子にS先生キレる、みたいな。

 なので、ぼくはその子の嫌いなものを風のような速さで代わりに食べていた。

 もちろん、ほかの子にも減らしても完食ができない子がいる。僕はそんな子たちの残飯もささっと食べていた。そして「全部食べたね~」と言っていた。バレたことはない。


 こうして僕は担任している子どもの食べかけなら、ぐちゃぐちゃでも食べられるようになった。


 冬はウイルスがとっても元気なので、子どもがよく休む。

 そして、本当は仕事が休みなのに「仕事だ」と嘘をついて子どもを預ける保護者がたまにいるのだが、そういうときに限ってその保護者の子が熱を出したり吐いたりする。この子はねらってるのか?と思うほどの確率だった。


 そうなると、保護者の職場に電話をすることになるのだが、「あれ、今日は休みですよ」なんて職場の人に返されると、そこで保護者の噓がばれる。

 基本的に保護者がお休みの日は、子どもも一緒に休む。保育園に子どもを預けるとしても、早めにお迎えにくるのがお約束である。


 そんなお約束なので、仕事だと嘘をついて子どもを預ける保護者が意外といる。ちなみに、噓がばれると保育士たちはちょっとイラっとするし、それを職員室や休憩室で話したりもする。保護者も嘘がバレるので、なかなか恥ずかしい思いでお迎えに来る。


 僕は「保護者だって子ども抜きでゆっくりしたい時もあるでしょうよ」と心から思っている。

 職場に電話をして、保護者が休みだとわかると、そのあとに保護者の家か携帯電話に電話することになる。そういうとき、僕は園長や他の保育士に聞かれないようにこそこそと電話をした。

「お母さん、子どもが熱出ました。それで職場に電話しちゃいまして・・・」

と、いうと全て察した保護者が恥ずかしそうにめっちゃ謝ってくる。

「気にしなくていいですよ。職場から迎えに来るって伝えるので、そんな感じで来てください」

と、僕が言うと「ありがてぇ」と保護者の方々は電話を切る。


 そして、僕は園長に「これから迎えに来てくれるそうです」とだけ報告する。嘘ではない。

 僕はそういうとき、「別に仕事が休みでも子ども預けていいですよ。バレなければ」と保護者の方には伝えていた。


 せっかくの休みなら子どもと過ごしてあげてよ、と思う保育士は多い。

 しかし僕の場合、それは「保護者による」。すごく真面目だったり、疲れてる保護者にはたまには1人でのんびりしてね、って思う。だから協力しちゃう。


 まあ、そうではない保護者が嘘をつくパターンの方が圧倒的に多かったけど・・・。そんな時は僕もイラっとして、園長にしっかりと報告をするようにしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ