トイ・ス○ーリー・ボーイ
2歳児クラスで保育をしていたときに、とてもおもしろい男の子がいた。その子をトイ・ストーリーボーイと呼ぶ。
その子は笑いのレベルがとにかく高く、言葉の返しがとにかく早かった。
当時、その子には年長のお兄ちゃんがいた。お兄ちゃんはアメコミが大好きで、僕も同じく大好きだったので、お手紙にアメコミの絵を描いてお互いに交換したりした。僕の絵によって、その子はヴェノムにハマった。
そのお兄ちゃんは卒園するときに僕にアイアンマンの吸盤つきのお人形をくれた。
僕は車を何回か買い換えているが、その人形は今もフロントガラスにくっついている。 もうかれこれ15年くらいくっついている。
で、トイ・ストーリーボーイの話。
その子は当時流行っていた半沢直樹のマネをよくしていた。まだ乳児である。あまりにも高いものまねクオリティだったので、僕は気になって普段は観ないドラマをみるはめになった。
その子は僕に向かって「やれーー!!おおわだーー!!」と叫ぶのが好きだった。半沢直樹のセリフである。
そして僕がそのセリフを受けて、「くっ...くくくっ...くぅっ...」と歯ぎしりしながら悔しそうに土下座をするという定番のやりとりがあった。めちゃくちゃおもしろかった。
その子はトイ・ストーリーを心から愛していた。僕もトイ・ストーリーを心から愛している。小学生の頃はレンタルビデオで毎週借りていたくらいだ。
大学生の頃にトイ・ストーリー3を映画館で観たときは開始5分で号泣した。デート中だったが、3Dメガネをかけていたのでバレないと思っていたのに、相手の女の子にがっつりバレていた苦い思い出もある。
その子もトイ・ストーリーのセリフを全部覚えていて、僕がトイ・ストーリーのキャラのセリフを言うと必ずその続きを言ってくれた。
ある日のこと。僕はう○ちをしている子(その子とは別の子)をトイレに連れていった。オムツ交換の時は誰も入らないようにトイレのドアは閉める。よっぽどの声量ではない限り、保育室に僕の声は届かない。もちろんトイ・ストーリーボーイにも聞こえないはずだ。
僕は何気なく、バ○が空を飛ぼうとして墜落するときに流れる歌をうたっていた。
僕が、「夢から~(省略)~すべてを知る~♪」という部分を歌った直後、保育室の方から、
「お前はおもちゃなんだっ!!とべやしないんだ!!」
というトイ・ストーリーボーイの合いの手が聞こえた。
僕は子どものおしりを拭きながら爆笑した。
これ、わかる人にはわかると思う。この曲はそこでウッ○ィの合いの手が入るのだ。
わからない人はぜひトイ・ストーリー1を観てほしい。おーってなるはず。
どうやらその子、僕が出てくるのをドアの近くで待ってたらしい。僕の歌が聴こえたから反応してくれたのだ。こちらからしたらびっくりである。
今まで出会った2歳児(その子はそのとき3歳になってたけど)で、ここまでの笑いのセンスを持ってる子に、僕はまだ出会っていない。




