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数字の神が支配する世界  作者: 葉月 優奈
一話:百年眠る少女
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007

カーゴをマート庁から、走られること十五分。

ここは、人工島アールの中心部からかなり外れた場所だ。

この辺りには、工場街が見えた。

その一角に、倉庫がいくつも立ち並ぶ場所が見えた。


俺の目の前には、大きな倉庫の内部に入っていく。

いくつかシャッターは閉まっていたけど、ここはなぜか空いていた。

中に入ると、俺は僅かな気配を感じた。


(この中にドローンがいる、既にマートは動いている)

廻沢の言うとおり、ドローンの僅かな風の音が聞こえた。

職業柄だけど、こういうときは有り難い。

何よりもまだ、他のドローンも発見が出来ていない。

倉庫の中は真っ暗だけど、俺はスマホを開いていた。


(マートが操るドローンには、上空からの探知しかできない。

探すとなれば、闇の光線を放って闇の途切れたところからADLを静かに放つ。

マート自体が、五感の視覚を特化させた感覚を持っているからだ。

だとすれば……俺がこの暗闇で探すとなれば……)

スマホを操作すると、一人の女の子が出てきた。

ダチョウの髪飾りをした、長い髪の女の子。

七色のワンピースは、彼女の感情に合わせて変化するアイコンの女の子。駅前の銅像の幼女だ。


【マートン、生命反応をしてくれ】

【了解】俺のスマホには一つのアプリが入っていた。

マート庁専用のアプリ、『マートン』。


生命反応を見て、倉庫の中を映す。

誰もいないはずの倉庫に……一カ所だけ反応した場所が見えた。

倉庫の奥、何やら上の方を気にしている様子だ。


(あそこか……)スマホを操作して、生命反応する生物の番号を確認していた。

距離が離れているので、アールチップと反応がしない。


場所は分かったが、入り口からかなり距離が遠い。

それに、俺が動けば上空のドローンが反応をしないとは思えない。

俺はこれでもマート庁の職員で、ブラックナンバーだが……下手に危害を加えれば一発レッドだ。


(とにかく、ギリギリまで近づこう)

俺は街灯の明かりだけか照らす中、ゆっくりと近づいた。

倉庫の中に入り、壁を背にしながら生命反応の方に近づく。


壁を背に、一歩ずつ歩く俺。

奥の何かは、まだ動きがない。こちらの動きは、全く分からない様子だ。

ドローンは、俺に気づかずに空を飛んでいた。


倉庫の中を三歩、歩いた時だった。俺の目の前には、木箱があった。

不安定に積まれていた木箱だけど、そのそばにドローンが飛んでいた。

木箱に気づいたドローンだけど、そのままドローンは木箱に当たって……いきなり倒れてきた。


「マジか!」俺は倒れてくる木箱を見て、一気に奥に向けて走り出した。



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