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数字の神が支配する世界  作者: 葉月 優奈
プロローグ
1/56

001

人類が滅亡する寸前までいった、未来の世界。

この世界は、神が確かに存在した。

未来に生まれた神は、常に命じ続けていく。


「人類よ、二つのことを提唱する。

この地球上で生き残りたくば、赤き数字を葬れ。

青き数字は、優れた命を残せ」



ここは、真っ白な壁の部屋。カプセルがいくつも置かれた部屋。

俺がいたのは、白い大きなカプセルの中。

カプセルの横には、『アメミット6』と書かれていた。


カプセル上のケースが半透明の中に、俺は入っていた。

頭以外黒い全身タイツを着て、ゴーグルをつけていた。


このカプセルは仕事が終わるまで、絶対に開くことはない。

それも、未来に生まれた神が全て決めたことだ。

そんなカプセルに、いくつものコードが乱雑に繋がれていた。

繋がれたコードの先には、いくつかモニターが見えた。


見えたモニターは、どこかの倉庫の内部だ。

見える倉庫内部の映像は、俺の見ているVRゴーグルからも見えた。

モニターの画面こそ、今俺が見ている視界の映像。

俺の体はカプセルの中だけど、意識はとある倉庫にあった。


俺から見えた町外れの倉庫には、黒いドローンが飛んでいた。

黒いドローンに、アームは赤いドローン。

薄暗い倉庫内を、音も立てずにドローンが飛ぶこのドローンはカプセル(アメミット)内で遠隔操作ができた。

遠隔ドローン制御カプセル『アメミット』こそ、未来の神が与えた力だ。

操作方法も可能で、しかも操作感度も抜群の遠隔操作ドローン。


俺は倉庫の中の白いドローンを操ると、もう一機ドローンを見つけた。

ボディは白いけど、四本のアーム部分が緑色とピンクの縞になっているドローンだ。


「いたか?」緑とピンク縞のドローンから、声が聞こえた。

「見つからないな、赤」

この倉庫は、かなり広い。そして薄暗い。

だがこのドローンは暗くても、暗視カメラが装備されていた。


「サーチはしたか?相棒」

「生命反応サーチは、していない。まだ、肉眼だけ。

相手は、レッドナンバーの中でもかなり狡猾なヤツだ、

闇雲にサーチをしたら、向こうにも感づかれる」

「だが、暗いし見つからないぞ。本当にいるのか?」

「いるのは、間違いない。ここには、レッドナンバーが逃げ隠れている。

監視カメラで反応していた」

俺の視界には、数分前の倉庫の映像がワイプのように出てきた。

そこには、確かに倉庫に潜入する一人の人間が見えた。

顔ははっきり見えないけど、赤のジャケットに水色のズボンの人間が倉庫に入っていくのが見えた。


そして、人物のところにカーソルが合うと、数字が表示されていた。

『982810331930』が、赤く表示されていた。


「仕方ないな、サーチ使うか」

俺のドローンが、くるくるとその場で回り出した。

同時に空から降り注ぐのは、キラキラとした粉。

この粉は、温度を探知するモノで僅かな生命反応も見逃さない。

そして、僅か一秒で倉庫内の熱源を探知した。


「ここか?」

倉庫の木棚から隠れている生命反応が、少し離れていた。

同時に、倉庫の明かりが一気についた。電源の制御は、神の影響にあった。

明るくなった倉庫に、見えたのはいくつもの木箱。

それから昔の家電が、いくつも置かれていた。


「柚木、電気をつけたか?」

「いや、俺はつけていない」

「じゃあ、レッドナンバーか?」

ドローンで短く会話をすると、俺は生命反応のある木箱の方に近づく。


「おい、どこに……」柚木の声を無視して、俺は生命反応に近づく。

それは、木箱の近くにはブレーカーが見えた。


間違いない、生命反応をしたこの人物が電気をつけた。

音を立てずに、木箱の上から俺のドローンが近づく。

近づいて、俺は生命反応をしている人物を上から覗いた。

向こうの頭が見えたとき、俺は思わず驚いた顔を見せた。


(赤い二つのリボン……茶色の髪)

ミディアムヘアーの後頭部に、赤い二つのリボンが見えた。

頭頂部だけを見て、人物が女だと分かった。

そして、なにより俺にとってそれは大事なある人物の顔が浮かび上がった。


「どうして、生きている……」俺の声が漏れた。

モニター画面には、『番号無し……UNKNOWN』の文字が見えた。

茶髪の髪の人物が振り返ろうとした瞬間、

「相棒、後ろ!」叫び声が聞こえた。


聞こえたのは少し高く上空に浮かぶ、緑とピンク縞のドローンからだ。

俺は声に反応し振り返ると、ドローンの後ろにドラム缶が山積みされた場所があった。

俺のドローンの背後を取るように、一人の人間が立っていた。


「消えろ、死神!」

赤いジャケットで、水色のズボンの人間だ。

手には鉄パイプを、持っていきなり俺のドローン目がけて飛びかかってきた。



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