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赤い糸

作者: ウソノコ

今日も昨日と同じ。

明日も今日と同じ。

これから先大きくは変わることの無いであろう未来・・・


私はそんな何の変哲も無い生活を送っている。

かれこれ27年間だ。


まるで絵に描いたような普通の何の面白味の無い普通のサラリーマン

それが私だ。


そんな私がいつものように目覚ましの音に目が覚めると、小指に何か違和感を感じる。

見てみると私の右手の小指に赤い糸のような物が結ばれている。


私は一瞬気味悪くなり絶句したのち、すぐにその糸を解こうと試みるがこれが中々解けない。

しょうがないのでハサミで切ろうと思って試したが不思議なことに硬くて切れない。


かれこれ15分程小指の糸をどうにかしようと努力してみたがどれも上手く行かず、糸のことを一時あきらめ私は朝食をとることにした。


トーストを齧りながら小指の糸を見る。

小指にしっかりと結ばれている。

結び目の先には15センチ程先が出ている。


よくよく考えてみるとこれは運命の赤い糸なのではないだろうか?

私はこの時ひどく混乱していたのかもしれない。

しかし人間とは変化に弱い生き物で、何か不思議なことがあると神や心霊などと何も根拠のない想像を膨らましてしまうものである。

そう考えると先ほどまで邪魔でしかなかった赤い糸が急に大切なものに見えてくる。

私は赤い糸をじっくり眺めた。

すると赤い糸の先が見えるじゃないか!?

さっきまでは何もなかった赤い糸の先が今は実体として存在しているのだ。

赤い糸は家の外まで続いていた。

それも玄関のドアをすり抜けて。


私は実感した。

これはまさしく運命の赤い糸だ!

こうなると思考は単純になる。

私はそそくさと着替えを済ませ家を飛び出した。

目的は勿論運命の人と出会うことである。


私は嬉しかった。

嬉しくて顔がほころんでしまう。

普遍的な生活に私は満足してないわけではないが、心の片隅で私はこう言う事を望んでいたのかもしれない。

幼き頃にはたくさんの夢や希望があった。

それが何時からだろう?

周りの人間に合わせ、それらを諦めだしたのは・・・



赤い糸の先を追いかける途中携帯電話が鳴った。

私はすぐさま携帯電話の電源を切った。

今思えば会社には風邪などと言っておけばよかったのだ。

そんなことも考えることもできないくらい私は赤い糸に集中していた。


途中女子トイレや知れない民家に足を踏み入れたが、私を止めることはできなかった。

この赤い糸他人には見えないようなので、何度か警察に捕まりそうになった。

この赤い糸は余った部分がどんどん短くなっていくようだ。

たまにすごい力で引っ張られることがある。

私と糸の先の人物が近付いている証拠である。

そして出発してから何時間、いや何日目かの日に私は絶望に出会うことになった。


そこはとある野原の真ん中だった。

赤い糸は空へ、雲の上に続いていたのである。

私はハハッと笑いその場にうずくまった。

目からは涙があふれ出ていた。



すると急に赤い糸に引っ張られた。

その場に立っている事ができず私はすごい速さで引きずられた。

薄れ行く意識の中、私は答えに辿り着く。



飛行機か・・・・・・

ここまで読んでいただきありがとうございます。

ウソノコといいます。

初投稿です。


よければ、感想待っています。

これからよろしくお願いします。

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