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勘弁してくれ

「おはよう」


あのヤバい奴に出会った土曜日から2日経ち月曜日になり学校に登校した俺は、クラスに入るとすぐさま下田に挨拶をする。


「おう! 倫太郎、お前の方から挨拶は珍しいなって何だ暗い顔をして?」


下田が心配そうな顔をしてくるが無視してずかずか下田に近寄っていく。


「どうした? って痛い、痛い。頭をグリグリするのはやめてくれ!!」

「お前が土曜日来なかったせいで、俺は!俺は! とんでもない奴に出会っちまったんだよ」


下田の静止を聞かず俺は30秒間グリグリを続けた。その後下田は頭を痛そうに抱えていたが…罪の重さを知るがよい。


「んで、何があつたんだ??」


痛い、痛いとは言いつつも俺の話には興味深々なようで俺に話を聞いてくる。


「まあいいけど、お前奢り高級焼き肉店な」

「そんな殺生なぁ〜、許してくだせぇ」


俺は、下田にだけ聞こえる声の大きさであったことを話した。


「それは、ブホッ、災難だったなクックック」

「下田、お前高級寿司店な?」

「笑わないからそれだけはご勘弁を」


といいつつめっちゃ笑ってやがる。失礼すぎるだろこいつ。


「クク、まぁその告白は普通に考えて「ウソ告」か「相手が単純にヤバい奴」かの二択だろうな」

「だよなぁ」

「まぁ、どっちの場合でもヤバい奴には変わりないけど…それにしてもクックック、ゲホッゴホッ、面白れぇ」

「おい、下田お前!」


そんなやり取りをしていると俺の背後に気配が!! 誰だ!?


「やっほー朝からたのしそうだね。倫ちゃんに下田。私も混ぜてよ」

「って何だ、美香か」

「おっす美香!」


元気に返す下田。里山 美香。俺は中学校からの付き合いであり、何故か俺によく構ってくるのだ。本人曰く「美少女」(自称)なわけだが、実際「美少女」の部類にしっかり入るレベルなので間違ってはいないのだ。


長く腰まで伸びた黒く輝く髪。ぱっちり開いた目に綺麗な二重まぶた。極めつけはでるとこでてるスタイル。(何がとはいいません)


「それで諸君、何を話していたのだね? この美香さんに聞かせたまえよ」

「美香、実はこいつの話なんだが」

「言わせるかよ!」


素早く下田の口を塞ぐ。もごもご訴えかけてくるがしょうがないのだ。こんなこと、美香に知られたら一生ネタにされるだろうし。


「えぇ、美香さんだけはぶけなの!? いいじゃん、倫ちゃん!倫ちゃんってば!」


「おいぃ、倫ちゃん、倫ちゃん連呼しながらほっぺプニプニしてくんなよ!!」


「ちぇっ」と下がる美香。危なかった。ってか美香俺が男ということ忘れてないか?

気軽なボディタッチは体に毒なのでやめてほしい。 いや、嬉しいは嬉しいけど。


そんな俺たちを見て下田は、


「…朝からラブコメ見せてくるんじゃねえよ。末長く爆発しちまえ」


と呟いてくる。すると美香も自分がしたことに気がついたのか途端に顔を赤くする。

何なの? その、自覚症状遅いの? 俺のこと男子って分かってました?


「今日もラブコメやってんなぁ」

「甘々だな」


あとクラスメイト。お前らが何故毎回俺と美香が絡むとそんな温かい表情で見つめてくるの本当に謎なんですが? 甘々って何がですか?


「まぁ、美香には悪いけどこの話はここでおしまい。 俺には、最早トラウマもんだから。まぁ、二度と会うことはないだろうけど、

そんな気軽に話せ_」


『えー、土曜日にたながまデパートに来た人は至急1-A、1-Aまでお越しください。

笹中 比奈ちゃんが探している人物の可能性があります』


「!? ゴホゴホ、ゴヒューゴヒュー」

「倫ちゃん急にどうした!? 大丈夫? 保健室連れてこうか? ってか何今の放送?」


突如、放送が流れてきたのだ。まさか、ウチの学校の生徒だったとは。しかし、1-Aか。

俺のクラスは1-Aから1番離れている1年クラスだし。名前も教えた覚えがないから、1-Aに行かなきゃバレることもないだろ_。


「あれ? 今のさっきの話の子だよな?」


下田がいたずらっ子のような顔をしてこちらを見ている。おい! まさか、まさか。

何だ、そのニヤニヤした顔はやめろよ!絶対やめろ。


俺の魂の叫びなんて聞くことなく下田は1-A方めがけて走りだしていってしまった。


バタン。


「下田も急にどうしたの? って倫ちゃん!?

倒れてるけどどうしたの!?」


もう、おしまいだ。


「倫ちゃん!? 息してる? 大丈夫!?」


心配そうに顔を覗き込んで美香、お前はいい奴だな。でも、俺もう無理だ。


「えぇ、これ本当に大丈夫!? あれかな、人工呼吸とかした方がいいのかな!? えっ、でも人工呼吸は恥ずかしい。でも、倫ちゃんのためだし」


「ラブコメやってんなぁ」「今日も我がクラスは平和ですなぁ」


でも、クラスメイトの皆さんは俺を誰も助けようとしてくれないばかりかそんなことを言ってくる。俺、いいクラスメイトを持ったなあ(白目)。


アーメン。俺は、これから訪れるであろう厄災に頭を抱えた。



→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

下田悪い奴だ!(いいぞ! もっとやれ!)


次回 再び主人公と比奈ちゃん再会。

どうなる!? 比奈ちゃんは誤解を解くことはできるのか!? 作者的に美香の方が気に入ってしまったのですがどうしたらいいんですか!?


まぁ、次回も読んでくださると嬉しいです。






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