第三王女(調査官ロイ)
王の言っていた証拠とは何かを尋ねると、毒の入った小瓶が示された。つながりをみると、第三王女の侍女とつながりがあった。
ジュストにその事を告げると、ジュストは侍女に問いかけた。ジュストは本当のことを話させることができる。皆の見ている前で、侍女は第三王女の指示で、毒の小瓶をルーミア様の部屋に隠したと告白した。
王に他の証拠について尋ねると、「そんなものはない」と言われた。ルーミア様を処刑したのは「証拠も揃っていたからだ」と、王は言った。しかし、ルーミア様を断罪した証拠は、毒の入った小瓶が部屋にあった。ただそれだけだった。
ふざけるな。そんな曖昧な状況証拠だけで、ルーミア様は冤罪を着せられたのか…。こんなもの、調べるまでもなく真偽は明らかにできるだろう。
何も言葉を発することのできない俺にかわり、ジュストが第三王女に問いかけた。
「第三王女殿下、本当に毒を盛られたのですか?」
ジュストの能力で、王女は正直に答えた。
「ふふふ。いいえ」
まるで、悪戯のばれた子供のように、無邪気に王女は答える。
「わたしが自分で毒を舐めたの。飲んだりしないわ。だって危ないでしょう?ちょっとだけ舐めてみたのよ。それで、そのまま持っていたら危ないと思って、お姉様のお部屋に瓶を置いてきてもらったの」
「なぜ、そんなことを?」
「だって、毒を持ってるなんて危ないでしょう?うっかりこぼしてしまったらいけないもの。お姉様はしっかりしているから大丈夫だと思って」
「ではなぜ、ルーミア様が毒殺の疑いをかけられた時に黙っていたのですか?」
「だって、面白くなかったの。ルーミアお姉様だけずるいじゃない。優しいだの、慈悲深いだの。真面目なだけが取り柄なのに。王族のくせにお金儲けしてるのに、みんなにいい人って言われるなんて、ずるいわ。わたしだって頑張って、可愛くおしゃれして、流行りのお芝居を見て話題づくりに励んでいるのに、誰もわたしのことは褒めてくれないのよ。少し嫌な目に合えばいいと思って」
第三王女は拗ねたように答えたが、顔にはうっすらと笑みさえ浮かんでいた。罪悪感などまるで感じていないその様子に吐き気がする。
「ルーミア様は処刑されたのですよ?」
「知らないわよ。処刑を言い出したのは、お兄様だもの。わたしのせいじゃないもん」
そう言って視線を向けた先には、王子がいた。ルーミア様の血判と最も強いつながりがみえる。ルーミア様は亡くなった王妃様の子だ。母親を同じくする兄がいるはずだが、あの人がそうなのだろう。
実の兄が、ルーミア様の処刑を言い出した…。信じられない思いがした。ルーミア様はどんな気持ちだったのか…。




