王との対峙(調査官ロイ)
俺とジュストが王宮へ着くと、ラスター王国の役人が高等法務院の法務官を足止めしていた。法務官は俺たちが到着する前に調査の段取りを進めようとしてくれたらしいが、調査官が到着しなければ対応できないとごねられていたらしい。法務官は俺たちを見て、安心したような顔をする。
正式な書類が届いた。立ち会いの法務官もいる。これで、俺たちは調査官として、連合の名のもとにルーミア様が冤罪で処刑された調査に取りかかることができる。加盟国の一つでしかないラスター王国、王家が俺たちを止めることはできない。
まず国王に謁見した。儀礼的に礼と挨拶をすると、王は不満を顕にする。
「高等法務院の調査官とのことだが、いったい何の用だ?」
「第二王女であったルーミア様処刑の件で、調査依頼が届きました」
「ルーミアは罪人だ」
「加盟国の王族の罪を問う時は、連合の法務官が立ち会う原則です。規約違反です」
「……悪質で、証拠も揃っていたのだ。法務官の手を煩わせるまでもなかった」
「違反は違反です」
王は一瞬言葉につまり、声を荒げた。図星をさされて面白くないのだろう。
「……それにしても、突然の訪問など、礼を失するだろう」
「我々はどこにでも突然伺います。証拠隠滅を防ぐためです」
「ルーミアは適切に処理された。一体誰が高等法務院になど訴えたのだ」
「ルーミア様ご自身です。自分は冤罪だと」
「はっ。そんな戯れ言を信じたのか」
王は横柄な態度を崩さない。ルーミア様の父とは信じがたい。
「ルーミア様ご自身の訴えとラスター王国の規約違反。総合的に判断した結果、調査依頼が受理されました。つきましては、王族の皆様をはじめとする関係者をすべて集めてください」
俺の言葉を聞き、王は再度不満を顕にした。
「突然やってきて、王族を集めろだと?無理だ。それぞれ公務もあるのだ」
俺はため息をつき、言葉を続けた。そもそも、ルーミア様に冤罪を着せた奴らに譲歩するつもりはない。それに、公務の大半はルーミア様が担っていたはずだ。
「そうですか。では、連合本部にラスター王国が正式な調査に対して、我々に対して非常に非協力的であったと報告させていただきます」
「まっ、待て」
途端に王の顔が青ざめた。高等法務院の調査官からそんな報告が上がれば、連合からペナルティを課される。そのことは理解しているようだ。
はじめから協力的な態度をとっていればいいものを…。
王の召集で王子と王女がやって来た。なにが公務だ。すぐに集まったじゃないか。
やって来た王子と王女を見ていると、一人だけ引っかかる人物がいた。




