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天体観測

作者: 葉耶

Twitterのお題で、1400文字 書き始めが「涙は星になった。」書き終わりが「帰り道は忘れた」です。

 「涙は星になった。」


 一体いつの話だったか…。当時小学生の俺は、夏休みの自由研究で天体観測をする為、真下に海がある少し危険な場所だが、海と夜空が混ざりあってとても幻想的な風景になる場所に連日行った事があった。

 先生からは「危険だから絶対1人で行ってはいけない。」そう言われたけれど、近所の見晴らしのいい場所は人が沢山いて、ゆっくりと天体観測をする事が出来ない為、俺にとってはあまり良いスポットとは言えなかった。

 俺の行くスポットは、8年前1人で来ていた子が足を滑らせ、朝方まで見つからなくてそのまま…というような事があってからは、近所の人達も寄り付かなくなった。

 村の子達も、そんな危険な所へ行こうというような子は居なかった。俺以外は。

 その場所に、その日は珍しく先客が居た。

 絶対ここに来る前に、遠くからでも見つかりそうな黄色い蛍光色のシャツを着ている独りの少女だった。

 正直関わりたくなかったが、少女がいる場所が丁度天体観測するのにいい場所だった為、渋々話しかける事にした。

「なぁ、お前も1人か?」

 俺が話しかけると、ゆっくりと振り向き少し儚げな表情を浮かべながら…。

「…そうだよ。『も』って事は貴方も?」

 少女の声は、まるで綿菓子の様にフワフワしていた。そんな少女の言葉にドキッとしながら、

「悪いかよ…。」

 ぶっきらぼうに答えた。内心、

(あー、何やってんだ俺…。こんなぶっきらぼうに答えたら怖がられるだろ…。)

と、凄く後悔していた。いや、なんで後悔していたのかは謎だったが…。

「ふふふ…拗ねっちゃって可愛い♪」

「へ…はぁ?!拗ねてなんかねぇよ!!」

 少女の返答が予想外過ぎて変な声が出てしまった…。急いで訂正しようとしたが、彼女は突然ビシッと俺の背後を指さす。

「ねぇ、君さ?何しにここへ来たの?そんな()()持って。」

 言われて思い出した。

「ん?あぁ、これか?これは…色鉛筆とスケッチブックだよ。天体観測して、記録に残す為に持ってきたんだ。」

「ふ~ん…ねぇ、描いてるとこ見せてよ!」

「しょうがねぇなぁ…ちょっと準備するから待ってろよ。」

「やった~!!じゃあ、ここに座って描いて!!」

 幸せそうな顔をして、近くの座れそうな岩の方へ俺を引っ張っていった。


ーーー数分後ーーー

「なぁ、見てて楽しいか?」

「うん、楽しいよ。まるで君が星空を創造したみたいで。」

「そっか…。」

 俺はそれ以上何を言ったらいいのかわからなくなって、何も言えなかった。

 それから、しばらくの間…お互い無言で過ごしていたが、

「俺さ、夏休み入ってからさ?ずっとここに来てるけど…。」

 終わるまで毎日一緒に…。そう言おうとした俺のセリフを遮って、

「知ってるよ。君がいつも一人で絵を描いてるの。」

「…え?」

 何を言っているのかわからなかった。

「本当は全部知ってたの。」

「何言っ…。」

 言葉にならなかった。だって…少女の体がまるで星のように煌めいていたから。

「ごめんね。話し相手が欲しくて…寂しくて声かけちゃったの…。そんな事したら私…消えちゃうのに。」

「まさか君、は…。」

 俺はそれ以上言えないまま、少女はそのまま崖へと近づき、振り向くと…。

「ねぇ、お願いがあるんだ。8年も経ったから、村の人達は私の事忘れちゃったけどさ?…貴方は私の事、忘れないで…。」

 消える前に流した少女の涙は星になり、儚く輝きながら消えた…。

「俺の…初恋なのに、忘れられる、わけねぇじゃん…。」

 帰り道は忘れた

1400文字か…多いなと思いながら書いていたんですが、書き進めていると意外と少なくて…(´・ω・`)

本当はもうちょっと書きたかったんですが、その前に文字数…。言葉足りてないなと思ったとこありましたら、皆さんの脳内で補完してあげてください!!

ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 星空のもとに展開するちょっぴりロマンティックなストーリーで、ラストが切なくて良かったです。
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