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全部演技です!



というのは、実は全部俺の演技だ。


俺の一人称は、僕じゃなく、俺。

性格ももっと、自分勝手な野郎だ。

あの受け付けのお姉さんが魔王の下僕であるのも分かっていた。

術式が下にあったのも分かっていた。

ステータスも、元より見れていたし分かっていた。

だから、俺が勇者の称号を持っていたのも知っていた。

だから、その術式で魔王によって召喚され変わることも。


それでも、俺が演技をしていたのは、


実は俺は、勇者より魔王に興味があった。



この世界には、勇者は居ても、魔王討伐に向かう勇者などいない。


何故なら、魔王は人間やほかの種族とも交流をとる、そこまで邪悪なやつではない。


まぁ、魔王と言っても、一括りにはできない。


そりゃ、人間を滅ぼそうとか服従させようとか考える奴らもいる。


しかし、そんな中、俺たち人間が人間の支配下の元生活出来ているのは、ある1人の魔王が、他の魔王を纏めているからである。


その魔王の名前は、バルデロ・ヴォンミリオン


この世界で最強と呼ばれる魔王である。


やつは、最強という名を手に入れそして、この世界の統一化を測った。


しかし、それは出来なかった。


それは仕方ない事だ。


最強の魔王だろうがなんだろうが、そう簡単にこの世界の仕組みを変えることなど出来やしないんだから。


だが、魔王バルデロは、諦めずに続けた結果今の人間と魔族、他の種族たちの共存が出来ているのだ。


しかし、最強の魔王とて、時が経てば亡びるもの。

そこで、魔王バルデロは勇者を次の魔王としようと考えたらしい。


魔王とは、誰でも慣れるものではないが、勇者にはその魔王になれる素質がある。


勇者とは、魔王とは対となる存在だ。だから、そんなのは有り得ないと考えるものもいるが、それは違う。勇者とは、対となるからこそ、1番魔王に近い存在になる。だからこそ、なれる素質があるのだ。


そして、魔王バルデロは、早速準備に取り掛かった。


この世界で勇者の称号を持ってる者全てを集めて、魔王になれるだけの器があるか、確かめた。


しかし、その中に魔王の器となる勇者はいなかった。


つまり、ステータスが確認出来るもの全ての者が魔王の器ではなかったのだ。


そしたら、次に考えられるのが、まだステータスの確認が行われていない、12歳以下の子供達である。


ステータス確認が出来るようになるのは、12歳から、だから、そのステータス確認時に勇者の称号をもつ者を召喚すればいいと考えたのだ。


召喚術式に勇者の称号を条件つければ、称号が無いものは召喚術を行っても、召喚されない仕組みである。


そして、俺はまさに今、その召喚術によって召喚されたんだが…


一向に魔王が現れない。



なにこれ、放置プレイ?


召喚しておいて放置とはどういうことだ!!



俺は、お前に会うためだけに、ここまで来たのに!


あぁ、そう言えば、言っとくけども、俺は演技をしていたが、魔力が無いのはホントだぞ?

魔力無いし、魔法も使ったことない。

剣術も体術も、スキルはまぁ、あるっちゃあるが、それは後でのお楽しみにとっといてくれ!


つまりは、ほんとに前世の知識だけでここまで来たのだ!


ふっふっふっ…


やっぱり、威張るようなことではないな。


馬鹿らしい。



そんなこんなをしているうちに、白い空間はどんどんと消えていき、見えてきたのは、想像していた通りの、魔王の城の内部。


「やっと来たか、勇者よ…はぁー…」



…?


どういうことだろうか、何故か溜息を吐かれた。

というか、なんだこの重たそうな空気は?


周りの従者達もヤレヤレといった感じで俯いたり、溜息を吐いたり、落胆し切っていた。


なんだ!?


俺が何かしたって言うのか!?




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