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グリーンスライム会議

おいらは王都の東の川辺に生息するグリーンスライム。

俺たちグリーンスライムは今絶滅の危機に瀕している。


理由はよくわかっていない。とある人間が俺たちの生息地に顔を出すと、なぜかその後に10匹から15匹ほどの仲間たちが失踪してしまう。しかも、ついさっきまで横にいた仲間が消えているのだ。


恐ろしいことこの上ない・・・俺たちは戦慄した。


最近よく顔を出すあの男。


弱そうだし、冴えない顔をしている。


とてもあんな奴が仲間をどうこうできるとは思えないのだが・・・仲間が失踪する前触れがあの男と関係しているのは間違いなさそうだ。一体どんな魔法を使っているのか!?


俺たちは俺たちで一生懸命原因を調べた。


調べた結果、川辺周辺にいくつも穴が掘られているのがわかった。


しかも、穴の中から仲間の焼死体が見つかった。俺たちは火に弱く、焼かれると魔核を除いて焼失してしまうのだが、かろうじて焼け残ったようだ。


一体、どうやって仲間たちはこの穴に落とされたというのか??


分らない。くそっ!


今日も仲間が10匹やられた。そして、原因はわからないままだ。



「もうよい、一族の者たちよ。」

「族長・・・」


ついにグリーンスライムの族長がギブアップ宣言を出した。


「これ以上、仲間をやられるわけにはいかん。魔獣の誇りにかけて奴を倒したいが、力及ばずだ。この際、奴に降伏するしかあるまい。」

「「「・・・・」」」


族長の苦悩がうかがえる。苦渋の決断だ。


「しかし、族長?どうやって俺たちの降伏を奴に伝えるんだ?奴は問答無用で仲間を連れ去るんだぞ?」

「うむ・・・・それはだな・・・・どうしよう?」

「「「族長~・・・・」」」


ああ、俺たちはどうなってしまうのか?





俺は今日もグリーンスライムを大量に狩猟し、ほくほく顔でスキルショップに向かっていた。

金に余裕ができたので、「魔獣の気持ち」ってスキルを買いに行く途中だった。


何故、こんなスキルを買う気になったかというと、このスキル、ある種の感知スキルにもなるんだよな。

魔獣が俺に向けて放った殺気に気づけるという。


だとすれば、このスキルを身に着ければさらに身の安全が保てるってわけだ。


俺はこの世界では弱い存在だ。口寄せスキルのおかげで今のところうまくいっているが、それはあくまでこちらが攻撃側に回っている時だけ。口寄せスキルはあくまで魔獣を俺の設置したキルゾーンに呼び込むためのものだから。


従って、不意打ちを受けると俺は弱い。なら、その不意打ちされる可能性をできるだけ下げておくのが大事だ。


「あ、ついでに覚えられるスキルが増えてないか確認しておこう。」


ということで、俺はスキルショップにたどり着いた。




「こんにちわ!」

「やぁ、また来たね。今日もスキルを身に来たのかい?」


どうやらスキルショップの店員さんは俺のことを覚えてくれていたようだ。

やはり、この元の世界の制服が珍しいのだろうか。


「あ、はい。今日は以前紹介してくれた『魔獣の気持ち』ってスキルを買いに来たんですが・・・ほかに習得できるがないかも確認したいんです。」


店員さんはうなずく。


「それじゃあ、さっそく水晶に手をかざしてみて。」

「はいっ!」


店員さんは水晶に映し出されたスキルを確認する。


「まずは、今取得できるスキルを調べてみたよ。って、以前より一つ増えているね。」


覚えられるスキルは二つ。


・魔獣の気持ち

・気配察知


おお、なんか使えそうなスキルが増えている!


気配察知:周囲1キロ内の生物の気配を察知する。消費魔力を増やすことで察知範囲を広げることができる。


このスキルがあれば、魔獣の狩猟も効率性が上がりそうだ。これまでは目視だけに頼っていたが、これがあれば目に見えない遠くの魔獣も狩猟できる。それに、魔獣からの攻撃を回避することにも使えそうだ。ただ、魔獣の気持ちと使い方が被りそうなのは残念だけどね。


どちらも銀貨5枚ということで、俺は迷わず両方とも買うことにした。

お金は厳しいが、今は先行投資と考えることにした。今はどんなスキルでも欲しい。スキルを多く獲得して生き抜くための手数を増やしたい。


「またよろしくな!」

「はい、こちらこそ!」


俺はスキルを経てほくほく顔でスキルショップを後にした。

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