王女の足の指は蜜の味ぃ(という噂)
さて、考えろ、俺っ!
目の前には、多分重大な秘密を知られて「どうしよう?」と考えているアリア王女がいる。
まずい、非常にまずい。
さて、普通、他に知られたくない重要な秘密を知られてら、人間はどうするか?
ケース①:口封じする
ケース②:自暴自棄になる
うん、ケース②はないな。ということはケース①・・・って最悪じゃん。
では、ケース①の口封じをするパターンを考えてみよう・・・
方法①:相手を殺す
方法②:相手と取引をする
それで、相手と取引をする場合って、自分と相手の立場(力関係)によって対応が異なる・・・はず。
自分が相手より強ければ脅迫、同じなら取引、弱ければ懇願・哀願。
さて、クイズです。王女はどの方法をとるでしょう?
確実にアリア王女の方が俺より立場が強い。この国の王女と一介の冒険者(しかも最低ランク)じゃ話にならん。
となると、方法①か、方法②だとしても俺を脅迫してくるはずだ。
ならば!
先手を打つ
どうやってか?だって?
そんなの決まっている。懇願・哀願戦法だっ!
「アリア様・・・このことは誰にも言いません。だから・・・」
と俺が話しているときだった。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
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急に王女が悲鳴を上げた。それはもう女の子が誰かに襲われたときに出すであろう(実際に出されたことないからな)叫び声だ。
あ?
ああっ?
あああああああああああああああああああああっ!?
その手で来やがったかっ!?
途端に部屋に駆けつけてくる兵士たち。みんなごつい。流石は王族を守る兵士だ。孫女装子らの門番とは違うな、うん。
「アリア様!いかがなさいましたかっ!?」
アリア王女は恐怖に震える演技をした。
「こっ、この者がっ、私と二人っきりだと言って急に襲ってきたのですっ!」
やはりか・・・いかん、これは俺を口封じのために殺すパターンだな・・・
良くて牢屋にずっと閉じ込められるパターンだ。
しかも、部屋には屈強な兵士が4人もいる。俺の力じゃあどう考えても逃げられない。
詰んだ・・・
だがしかし
ふっ。俺はにやりと笑った。
アリア王女よ。ただで俺がやられると思うなよ?
「あっ、アリア王女!いくら俺が足の指をなめるのが下手だったからと言って、私のような駄犬のご主人であらせられるアリア様を襲うわけがないではありませんか!」
「「「なっ!?」」」
アリア王女もびっくりしたようだ。
ふふふ。王族貴族金持ち、こいつらが嫌うことの一つ。それは醜聞だ。下々に足の指を舐めさせ、愉悦に浸っている王女様だと?いいゴシップネタになりそうじゃないか。王女が結婚するその時まで噂が残ってくれていることを望む。
そして、ほぉれ、見ろ?兵士だって少し動揺してるぞ?
って、おいそこの兵士。「自分も舐めたい」みたいな顔をしてはいかんよ?
「つっ、連れて行きなさい!」
「「「は・・・はっ!」」」
そうして俺は捕まってとりあえず牢屋に入れられた。