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どうやら魔王はまだいないらしい

「どうぞお入りください。」

「うす」


俺に用があったのはアリア王女だった。そして俺は今、アリア王女のお部屋の中にお呼ばれされていた。


ああ、女の子の部屋・・・クンスカクンスカ


いやいや、ないない。


この人は確かにとってもかわいい。だが、俺が受けた仕打ちを忘れない。

俺は根に持つタイプだ。人間の器が小さいんだよ。ほっとけ。



しばし沈黙タイムが続いたが、それを破ったのはアリア王女。


「さて、今日あなたをお呼びしたのはですね、私、あなたを過小評価してしまったようですわ。」


「過小評価・・・ですか?」


正直ピンとこない。過小評価もなにも、あんたに評価されるようなことは何もしてないが?


「またご謙遜を。冒険者ギルドで大活躍ですってね?聞いていますよ?」


報酬がしょぼくて人気のないグリーンスライムを狩り続けて大活躍とは、何ともまぁ・・・


あれか?日本で言うところの、「毎日学校の便所掃除を率先してやってきた君の活躍は大したものだ!」みたいな?


いやいや、そんな褒められ方聞いたことがないですわ。


「グリーンスライムをせっせと狩猟してただけですよ?」


「いえいえ、それでも数百も狩猟されるなんて、なかなかできないですよ。」


やけに俺をほめてくるな・・・若干気持ち悪い。

こんなかわいい女の子に褒められても素直に喜べない俺は病気だな。うん、そうに違いない。


まぁ、この話が本題じゃないだろうから、さっさと本題にうつりたいものだ。


というわけで、話を切り出した。


「ところで、今日私をお呼びになったのは?」


「ああ、それはですね、一体どのようにしてそんなに多くのグリーンスライムを狩猟できたのか、それを知りたくてお呼びしたの。」


えっ!?たったそれだけのために?

それが本当だったらギルドに聞けばいいじゃないか・・・


まぁいいか。別に秘密にしてるわけじゃないし。


というわけで、俺は素直に話すことにした。


「えっとですね・・・(以下省略)」





「まぁ、そんなやり方があったなんて」


「ええ、本当にラッキーでした。」


そう、口寄せというスキルを得られた俺は幸運だった。


一通り話し終えた。そして、この王女、話の顛末が分かると途端に退屈そうにしやがった!


「ところで、最近生活の方はどうです?」


ああ、もうこっから先は世間話だな。社交辞令的には「帰れ」ってことだ。

こいつ・・・本当にグリーンスライムの話聞くためだけに俺を呼んだのかよ!


身構えてた俺がバカだったわ!返せ、俺の貴重な思考時間!


「おかげ様で、まぁ何とか冒険者として生活できてます(お前の給金が少なすぎて働かないと食っていけないんだよ!ぼけぇ!)」


「まぁ、それは良かった!働かざる者食うべからずって言いますものね。(ぷー太郎に出すかねなんてあるわけないだろぉ~ばーかばーか!)」


良く知ってるな・・・それって俺たちの世界の慣用句じゃないのか??

それにしても・・・ほほぉ?もう別に気にしてないが、やはりお金をくれたりはしないらしい。


「ところで、ほかの勇者は頑張ってます?いやぁ、さっさと魔王倒してほしいなぁ。元の世界に戻りたいですわ(さっさと元の世界に戻しやがれ、この拉致犯罪王国がっ!)」


「まぁまぁ、そう焦らず・・・魔王が現れるのはまだ先の話ですよ?10年以内には現れる・・・と思います」


え?今なんと?

この女、さらっと重大発言したぞ?


「えっ!?魔王は今いないんですか?」


思わず聞き返しちゃったよ!


「そうですけど?それが何か?」


「それを他の勇者は知っているんです?」


アッ


王女様の口があんぐりと開いた・・・

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