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【改稿前ver】三秒転生 〜愛する者の為に残された三秒で神を討つ〜  作者: サカキ
第二章 旅の開始〜人間の国 キャストレ編〜
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第25話 天然温泉

翌日。俺達は朝早くに起き、昨日、屋台の店主に教えてもらった場所に行くことにする。(ラーメンを食べたあとに観光するならどこいいか聞いた)教えてもらった場所は、絶景の見える温泉だそうだ。温泉といえば王都でも入れたし違いといえば絶景が見えるということくらいから。まあ、なんにせよ温泉に入れるのなら別になんでもいい。俺は温泉にあっちの世界でもよく入っていたが、リサは初めてのようで、温泉というものをあまり理解していない様子だった。



「えーと、ここか」



教えてもらった場所まで行くと、ほのかに湯気が立ち込める建物があった。その建物の看板には『天然温泉』と書かれていた。それを見るたび俺は一気にテンションが上がった。



「おー天然温泉」

「天然温泉だと何かいいんですか?」

「温泉には人工温泉と天然温泉って言うのがあるんだけど、その二つの違いは温泉の効能くらいなんだ」

「じゃあ、なんでそんなに喜んでいるんですか?」

「やっぱり自然や旅行気分とか非日常を味わいたいとかかな」

「夕日、もしかして温泉マニアですか?」

「は、は、多分そうかも」



俺は苦笑いしつつ、そう答える。天然温泉はあっちの世界では親と結構行ってたからな。でも、親が亡くなってからはめっきり行かなくなった。こうして温泉に入る気になったのはもしかしたら色々な人との出会いのおかげかもな。特にシャルネアは少しの間だけだったけど俺の親みたいな感じだったし(怖いけど)。そういえばシャルネア今どうしてんのかな、稽古でもしているのだろうか。と、そんな思考を遮るようにリサが「行きましょう」と声をかけてきたため建物内に入ることにした。



「おばちゃん。男一人と女一人」



建物に入るや否や番台にいるおばちゃんに温泉に入る人数を伝える。だが、おばちゃんはそれを聞いていなかったのか



「混浴には入らないのかい?」

「混浴!?入りませんよ」

「こ、ん、よ、く?」



俺は混浴の意味を知っていたが、リサは知らないのか首をかしげていた。



「なんだい付き合ってるんじゃないのかい?」

「付き合ってません」

「付き合ってませんよ」



俺たちは声を揃えてそう叫んだがおばちゃんはそれを全く意に介さずにニヤニヤしている。俺たちの慌てる顔を見て満足したのかおばちゃんは普通の表情に戻った。



「わかってるさ。付き合ってるんだったらそんな敬語で喋らんじゃろ」



どうやら入り口前で喋っていた話が聞こえていたらしい。全然耳遠くないじゃん。



「二人一緒でいいんじゃろ?」

「はい」

「付き合ってもいないのに支払いは二人一緒かの」



おばちゃんはフォ、フォ、フォと声を上げて笑い、俺たちをしっかりと見てくる。




「何か訳ありのようじゃな」



結構鋭いおばちゃんに俺たちの成すべきことまでバレてしまうのではないかと思い冷や汗をかく。



「まあ、どうでもいいわい。二人合わせて銅貨二枚じゃよ」

「あ、はい」



あっけなく終わってしまったため驚きつつも、銅貨を袋から出しおばちゃんに渡した。こうして温泉に入れるようになったが、リサは初めて温泉に入る。だから軽く温泉の説明を20分ほどした。話をしている際、リサの頭から煙が出そうになっていた。そんなに難しいかな?俺はリサの頭がパンクしそうになっていた理由がわからなかった。そうして、俺は男湯に、リサは女湯に分かれた。俺は服を脱ぎ男湯の扉を開ける。



「おおー」



目の前に広がるのは大自然のパノラマ。そして露天風呂。絶景に露天風呂と来て俺のテンションは最高潮まで達した。



「いやーまさか露天風呂とはな」



室内の温泉とばかり思っていたから、露天風呂だとわかったときの俺の心情は想像に難くない。温泉に入り前に体を念入りに洗い、温泉のお湯を体にかけじんわりと体をお湯の温度に慣れさせていく。体が慣れたらようやく温泉にイン。足からゆっくりと入れていきどんどん体をお湯に沈めていく。そして、体が肩まで浸かりきると、心地よい温もりに全身包まれ思わず声が出てしまう。



「「ふ〜〜〜」」

「!!」



俺の声が漏れ出たのと同時に隣の女湯の方から声が聞こえてきた。聞き間違いのないリサの声だ。早朝ということもあり男湯には俺以外誰一人いないし、女湯もこっちと同じような感じなのだろう。じゃないとこんなたるみきった声なんて出さない。リサにはたるみきった声が出るくらいには温泉を気に入ってもらえたかな。



「リサー、どう、気持ちいい?」

「ものすごく気持ちがいいれふ」



リサの声からもどれくらい気持ちいいのかわかった。こうして誰かと一緒に温泉に来たのは親を除くとこれが初めてかもな。昔の俺は温泉を思い出すと親との色々な思い出を思い出してしまうから、まさか今温泉これているなんて夢にも思わなかった。



「リサ。ありがとな」

「はい?・・・何かわかりませんがどういたしましてと言っておきまふぅー。温泉いいですね」



思った以上に気に入ってもらえたようだ。長湯はあまり体に良くないから俺は上がらせてもらうとしよう。



「リサ。俺はもう上がるから、満足したら上がってね。くれぐれものぼせないように」

「わかりました。ふぅー」



これは長くなりそうだな。俺が出た30分後にリサは出てきた。何やら肌がもっちりしているような。もともといい肌をしているのにグレードアップして帰ってきた。これはきっとこの天然温泉の効能なのだろう。それから俺はリサに温泉に入ったあとの醍醐味を教えて上げることに。



「リサ。これ」

「なんですかこれ?こーひーぎゅうにゅう?」

「まあ、飲んでみろ」

「はい」



リサはそう言うと瓶の蓋を開け、瓶に口をつける。そして、一度飲むと、それから息継ぎなしにグイグイと飲んでいく。



「プハァー。これ美味しいですね」



コーヒー牛乳を飲み終え、新鮮な空気を目一杯吸う。温泉に続いて、コーヒー牛乳も気に入ってもらえた。



「温泉また行きたいです」



リサの温泉にまた行きたいという言葉を聞き、気分を良くして建物からでた。次は何か買い物でもしたいと言うことで街にショッピングに出かけることに。ディヌスまでの道のりは長い。

温泉行きたくなってきた。それと、温泉に入ったあとに飲むコーヒー牛乳はなぜあんなにも美味しいのだろうか。不思議だ

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