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【改稿前ver】三秒転生 〜愛する者の為に残された三秒で神を討つ〜  作者: サカキ
第二章 旅の開始〜人間の国 キャストレ編〜
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第23話 馬車

翌日。『ディヌス』へ向け歩みを進めたいのだが、流石に100キロを徒歩で行くのは辛いし、何よりリサがもたない。ということで馬車を借りることに。今は馬車を借りるべく馬車を貸し出している店にいる。



「すいません。馬車を借してくれませんか」

「はいはい。どのような馬車を・・・」



俺の呼びかけに振り返りながら答える店の男。だが、答え終える前に俺の容姿を一瞥し、軽く肩を落とした。



「すいませんお客様。生憎、今馬車が無くて貸し出せないんですよ」

「え?」



男の後ろの方に一台の馬車が見える。だが、男は馬車は貸し出せないと言ってきた。

じゃあ、お前の後ろにある馬車はなんなんだよ、とツッコミそうになるのを我慢する。これは俺を見て貸すか貸さないか判断したな。



「うちも繁盛してまして、本当に申し訳ないのですがもう馬車が一台もないものですから」



いや、だからその後ろの馬車はなんなんだよ。もうツッコむのを我慢するのはやめた。



「その後ろにある馬車は?」

「あーこれですか。えーとですねー、そのー」



多分俺が金を持っていない、尚かつこの服装だ(当たり障りのない服)相手にされなくて当然だろう。だが、俺には王様からもらったお金がある。すいません王様。ちょっとお金を使います。そう自分の中で王様に誤ってから店の男にある提案をする。



「その馬車を借りるお金があれば借りれるんですよね?」

「そうですが、お高いですよ」



男は言っても無駄だとたかをくくっているが、それは検討違いだ。俺はさらに聞いてみることにした。



「いくらですか?」

「ざっと銀貨2枚ですかね」



なんだそんだけかと俺は思ってしまった。王様からもらったお金は、今までに宿代等で銀貨5枚を使った。銅貨を百円だとしたら五万円くらいを使ったことになる。だからそんだけかと思った。まあ、王様からもらった金額がおかしすぎて麻痺してるってのもあるか。俺はさらに踏み込むことに



「買うとしたら?」

「買うとしたら金貨一枚は貰いますよ」



借りるならまだしも買うなんて言ったもんだからガハハと笑う男。ふむ、金額はものすごく上がったが借りるよりも買う方がいいかもな。これからの旅で必要になるし。



「それじゃあ買います」

「へ?」



男は変な声を出したあと首をかしげ少し固まる。と、すぐに動き出す。



「いやいやいや何言ってんのお客さん。借りるならまだしも買うって。お客さんも冗談がうまいねー」



手を横に何回も振り、またしても笑う。これでは埒が明かないので実際にお金を見せることに。



「これでいいんですよね?」

「はい?・・・えーーーーーーーーーー!?」



男は俺が差し出した手のひらに乗っているものに驚き、大きく目を見開いた。



「えっとこれって」



聞かずともわかっていることを俺に問う。



「金貨ですけど」

「ですよねー」



すると男は姿勢をただし、営業スマイルを俺に向けてきた。



「もうお客さん、お金があるんならそう言ってくださいよ。さ、どうぞ持ってってください。ささ」



お金を受け取るや否や、手で馬車のところに誘導してくる。男の態度の変わりように驚きを隠せていなかったが、目の前の馬車を見ることで驚きを誤魔化した。馬車を見て気づいた。馬車って馬がいないと意味がないと。



「馬も売ってくれますか?」

「もちろん喜んで」

「それでいくらでしょうか」

「馬二頭でざっと金貨四枚ですね」



結構するな。だが、別にいいかと思い袋から金貨四枚を取ろうとする。だが、袋の中に入れた腕を引っ張られることにより動きを止めた。



「夕日。その人嘘ついています」

「ギクッ!!」



男の反応を見る限り本当なのだろう。いやー、それにしてもリサのスキルは優秀だな。



「で、本当はいくらなの?」

「え、えっと」

「いくらですか?」

「・・・金貨ニ枚です」



俺とリサのダブル攻撃により観念したのか本当の金額を言う。俺はリサを見たが頭を縦に振ったことで本当だと確信した。



「はい。どうぞ」

「ひぃー、なんでばれたんだ」



男はなぜバレたか理解できていない様子だった。その後厩舎に行き、馬二頭を買い取った。



「買ったはいいですけど御者は雇わなくて良かったんですか?」

「ああ、それは別にいいんだ。俺、馬車を操縦できるから」

「え、そうだったんですか」



俺はシャルネアの記憶を共有している。その中に馬を操っている記憶がある。だから御者を雇う必要はないというわけだ。



「とりあえず馬と馬車は手に入れたしもう出発しようか」

「はい」



馬車に乗り、東の門から出発する。ようやくディヌスに向かうことができた。

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