プロローグ
拙い文章ですが読んでくれると幸いです。
何でもいいので感想あったら書いてほしいです
「綾香お前が好きだ。付き合ってくれ」
男、龍崎夕日は今、告白をしている。相手は小さい時からずっと一緒だった幼馴染の椎名綾香。彼らは共に大学生の18歳。2人とも家が近いので一緒に帰る約束をしていた。夕日は小さい頃から綾香のことがずっと好きで、いつも待ち合わせをしている所でとうとう告白を仕掛ける。
「っ!!えっ、えっと・・・うん。こちらこそよろしく」
綾香はいきなりの告白に動揺し、あたふたする。大きく息を吸い、吐く。綾香は心が落ち着いたのを確認し告白の返事をした。そうして出た返事は肯定を示すものだった。
「よっしゃ!!」
告白は成功。つまりこれから二人は恋人同士。その事実にガッツポーズと共に歓喜の声が飛び出した。興奮さめやらぬ中、夕日はふと疑問に思う。
(即答だったけど、普通はじっくり考えるものじゃないのかな?・・・いや、嬉しいんだけど)
なぜ即答だったのか答えは1つしかないのだが今までで綾香はそういう素振りを見せたことがなかった。だから夕日が疑問に思ってしまうことも当然と言える。
「いきなりだったのに即答だったな」
「なんで?だって私も好きだし。夕日のこと」
「ほ、本当に?いつから?」
「小さい頃からずーっとだよ」
(驚いた。まさか両想いだったなんて)
フラれる覚悟で抑えきれなくなった想いを打ち明けた夕日だったがその覚悟はあまり意味がなかった。夕日はもっと早く告白すればよかった、と思わざるを得なかった。そんな夕日の告白は案外拍子抜けで嬉しいはずなのに苦笑いをするしかなかった。
「いやー。でも、よかった。ずっと俺の片想いだと思ってたからさ。綾香からそんな素振り全然見れなかったからさ」
「それは夕日もだよ!!夕日からそんな素振り全然見れなかった」
「だってそれは、綾香が俺のこと好きじゃないと思ってたから、あんまり好き好きやるのも、ね」
「え、夕日も?夕日は私のこと好きじゃないと思ってたから。それにフラれるのが・・・怖かった」
うつむき加減に話していた綾香は視線を夕日に向ける。自然と互いの視線が重なっていく。
「ぷっ!! なんだよそれ」
「ぷぷっ!! 本当、なんだよそれ、だね」
全く同じ思考をしていたことに笑いがこみ上げ、吹き出す二人。互いが互いの事を想った結果、こんな遠回りになってしまった。
「こんなことならもっと早くに言うんだった」
「本当そうだね」
夕日はより一層早く告白すべきだったと後悔していた。それは夕日と同じ年月、いやそれ以上の想いを今の今まで打ち明けなかった綾香はより強く後悔しているに違いない。
「あ、でも私、夕日に言わなくちゃいけないことが」
笑った後の緊張感の取れた緩い空間の中、綾香が何かを思い出す。その何かは綾香の張り詰めた表情からとても重要だということが見て取れた。
「きゃー」
「来るなー」
綾香の声はどこからともなく聞こえる悲鳴によって中断される。
「なんだ!?」
夕日は悲鳴の聞こえる方向に視線を向ける。
「なんだ・・・あれ」
夕日の視線の先には見たこともない巨大な物体。見たこともない異常事態に夕日はここにいるのは危険だと綾香の手を取りその場から離れようとした。だが、夕日の手は綾香の手を掴むことはなかった。
「どう、して」
夕日の胸にナイフは刺さっていた。それは幾何学模様が入ったナイフ。そのナイフは一人の人間の手によって刺されていた。
「あ、やか」
夕日の心臓にナイフを刺していたのは綾香だった。夕日が刺された場所は心臓。夕日は確かに刺された。だが、不思議と血は1滴たりとも出てくることは無い。
(どうして綾香が・・・)
「ごめん、夕日」
ナイフを刺した張本人の震えた声。その声を聞き、夕日は闇へと誘われる。夕日の意識は闇に溶けていった。
今後の参考にしたいので、どんなことでもいいので感想、要望等々くれると助かります。