【十三】
先頭を行くのはパーティーを陰ながら仕切っているシロと何故か彼になついているイツツバ。その少し後ろに間を空けて茜音、更に後ろから兵藤がついてくる。
「こういうゲームってのはさ、年齢とか職業とかって聞いたらマズいの?」
イツツバがシロに訊ねる声が茜音たちにも聞こえてくる。
それそれがそれぞれの心の中でその質問に対する答えを呟く。
個人情報の流出やプレイヤー間での無用なトラブルを避ける為にそういった事に関しては、利用規約で原則禁止となっている。しかし、この原則という言葉が厄介で、捉え方によっては個人情報のやり取りも可能だと判断するプレイヤーもいるだろう。
結局はその当人同士の問題であり、人生で一番の友人や異性同士であれば結婚をする相手と巡り合う事だってある。トラブルや犯罪に巻き込まれるというのはほんの一部に過ぎない。
「まあ、基本的には禁止になってるよね?年齢とか職業くらいなら良いかな?って人もいるかもしれないけど、それも立派な個人情報だし、あんまり自分から話したいって人の方が珍しいんじゃないかな?」
「なるほど」
そう呟いてイツツバは後方へと首を回した。それがどういった意味なのかは周りの人間からは分からないが、自分の方を向いていると分かった茜音はそっぽを向いたまま前の二人との距離を保ちつつ足を進める。
そんな空気を察してか一番後ろから兵藤が言葉を掛けて来る。
「しかし、これだけ歩いてばかりだとゲームをやっているのかウォーキングをしてるのか分からんな」
ただの愚痴ではあったが、話題はそちらへ流れて行く。
「まあ、こういうゲームでは何かしら移動手段が用意されているはずだから、次の町に行ってみれば何か用意されているかも」
「それにもお金を使うってオチが待ってそうだけどな」
的確に指摘する兵藤にシロは苦笑いを返すだけだった。
「でもさ、本当にずっと歩いてるだけだね」
兵藤の話に乗るようにイツツバが呟く。彼は更に言葉を続けて、
「なんか、もっと最初から敵と戦ったりする派手な感じを予想してたから仲間を探してたんだけど、これだったら別に一人でも全然問題無かったな」
「今からでも一人で行く?」
苦笑いから人をおちょくるような笑い顔になったシロが楽しそうに言うと、
「いや、それは無理。無理無理」
すぐさま否定して、前方に見えて来た最初の町を指差した。
「これでやっとゲームが始まるって感じになるのか?」




