【六】
「では、一旦話を整理させて貰っても良いかな?」
後に長政となる男、プレイヤー名シロは全員の顔を見ながら笑顔でそう言った。
元々の当事者であるはずの茜音とイツツバは何も言い返せないまま、ただ男の言う通りに従う。威圧的でも脅してる訳でも無いのだが、何故か彼の笑顔には逆らえない。そんな感じがした。
しかし、その役目は自分だと言わんばかりに長政よりも先に割って入ってきた男、兵頭が声を上げる。
「二人の話ならこっちで聞いてるから部外者は入らないでくれるか?話がややこしくなるだけだ」
冷静と言うよりは冷めた感じで呟いた。
茜音からしてみれば元々貴方も部外者なんだけど?とは思ったが雰囲気的に口には出せない。が、
「いやいや、これは俺と茜音の話であって、偉そうに言ってるアンタも部外者だからね!」
イツツバが代わりに言い放つ。
しかし、そもそもコイツが居なければ今現在起こっている全ての問題は無かった訳で、遠目からイツツバを見る茜音の顔は、何とも形容しがたいとても複雑な表情になっていた。
「二人の問題なのは分かった。が、それならば尚更部外者が話を聞いてしっかりとした答えを出すべきなんじゃないか?」
長政もただ興味本位で首を突っ込んで来た訳では無さそうだ。きっと純粋に困っている人がいるなら助けてあげようという善意なのだろう。そんな彼に、
「それには賛成だ」
と、兵頭こと清綱同意する。が、
「だが、部外者は二人も要らない。先程も言ったがややこしくなるだけだから、君はもう行って貰っても構わないぞ?」
清綱はあまり長政に対して良い感情は持っていないようで、先程からこの場から去るようにと何度も念を押すように言っている。しかし、長政の言い分は、
「当事者が二人居て部外者も二人居るのなら、ちょうど良いじゃないか?」
長政の言葉に三人は首を傾げる。
「俺と貴方、名前は兵藤さんで良いのかな?俺たちがそれぞれ、茜音さんとイツツバくん側に付いて話の決着をつけよう」
まるで裁判のような状況に、どうしてこうなってしまったのかと今にも頭を抱えそうな茜音。彼女は四人が集まってからずっと頭の隅で考えていた事を口に出そうか出すまいか迷っていたが、一度大きく息を吸い込んでいつもよりも二割増しの大きな声で言った。
「皆さん、一人なんですか?」
当然、話をしていた三人の視線は彼女へと集まり、それぞれの口は止まる。
「もし、もし、よろしければ四人でパーティーを組んで冒険してみませんか?」
これがこの場を収める一番簡単な方法だと、彼女は思った。




