【十二】
長政を見ながら軽く舌打ちをした清綱は、溜め息を吐きながら、
「いつから年齢の話になったんだ?今、この手紙についてだろ?」
最初の説明をしている時には出さなかった手紙の現物を皆に見えるように持ち、
「結局、朝倉義景のお茶会には出席するのか?」
そう改めて問われ、
「私は面白そうだから参加しても良いかな?って思ってます」
綱親が前向きな発言をする。それに驚いたのはゲームを休止する前までの彼女しか知らない清貞で、
「え、マジ?一番嫌がりそうな奴が参加しても良いとか言ってる」
驚いた表情で言うと、当然正面に座る彼女からの睨みの視線が突き刺さる。
「清貞くん、綱親さんは変わったんだよ。最近は俺達がインしないからって別の友達ともダンジョンに潜ったり、クエストを進めたりしてるんだから、ね?」
長政に同意を求められ、恥ずかしそうにコクンと頷く。
「もしかして、それって?」
何かに気が付いたようにそう言うと、今度は清綱が、
「ああ」
と、肯定し、
「お前が助けられたって言ってた人たちだ」
綱親以外の三人では会話が成立しているが、先程までこの場に居なかった彼女には何を言ってるのかチンプンカンプンであった。だから、
「あの、どういうことですか?」
訊ねる。
「さっきさ清貞くんが綱親さんの友人と会ったって言ってたでしょ?」
本人ではなく、長政に言われる。
「それが光くんと葵さんだったらしいんだけど、どうやらNPCに詐欺紛いの因縁つけられて絡まれてるところを通り掛かった二人に助けられたらしいんだ」
詳しい話を聞いた綱親、もとい茜音は短い時間ではあったが、黙って考え、
「……二人でしたか?」
自然とそんな言葉を零していた。が、それについて深く考える人間などここには居るはずもなく、
「光くんと葵さんだったんだよね?」
と、大真面目で清貞に確認を入れる長政と、
「はい。どこかに行く途中だったみたいなんですけど、俺のこの号を見て長政さんの家臣って気付いたらしくてわざわざ足を止めて助けに入ってくれたんですよ」
と、こちらも同じく大真面目にしっかりと答える清貞。
「その状況で号を見ただけで長政の家臣だと判断し、面倒な状況にも関わらずゴタゴタを仲介してくれるとは中々素晴らしいな」
清綱もそんな事を言っていた。が、
「いや、そんな事に感心してる場合じゃなく、手紙の返事をどうするか考えろよ!」
こちらの話し合いもあっちにフラフラこっちにフラフラと脇道に逸れる事しかない。
18.03.10 フリガナ修正




