【十七】
そして、ボスからドロップしたものを含めて計六つになったツルハシをそれぞれ光と葵組で三つ、まさひとりさ組で三つと半分ずつに分け、メインイベントである採掘へと挑む。ボスのフィールドの中、様々な場所に点在する採掘ポイントへと移動を始める。
「出来れば今回も金塊は大きいのを狙いたいな」
巨大な岩壁を前にしてそう呟いた葵の言葉を光は聞き逃さなかった。
「そういえば、前回の時は葵と茜音が一番大きいのを出したんだっけ?」
「私と茜音ちゃんが大で、光が中、要が……」
最後は苦笑いでごまかしているが、眼前にある隣接した二つの採掘ポイントのどちらに狙いを定めるか、その視線は真剣そのものである。数秒悩んだ末に彼女が導き出した答えは向かって右側の採掘ポイントで、
「よし、こっちにしよう」
自信満々で言うからには何か根拠があるのかと、
「その理由は?」
光が笑って聞いてみる。
彼女は顎に手を当てて考える素振りだけは見せたが、返って来た答えは、
「……勘かな?」
という大変雑なものだった。
それでも彼女が振り下ろしたツルハシが採掘したのは中くらいの大きさの金塊で、葵自身はあまり納得していないようだが、上から二番目の大きさと考えれば十分な結果である。
「せっかくだから葵が三本全部使って掘ってみてよ」
光の提案に、先程まで謎の自信で満々だった彼女は、
「外れ引いても怒らないでね?」
と、若干の弱気を見せる。
こんなものを元から何が出るかなんてランダムに決まるものだし、それこそ『幸運』と呼ばれる技能でも持っていない限りは基本的には誰がやっても同じような結果になるはずだ。
それを証明するように彼らの反対側の壁で採掘をしているまさひとりさは、三本全てをまさひに採掘させようとしていたりさに無理矢理、
「これも経験だから、一回くらいやっておいた方が良いんじゃない?」
と、説得した結果の中の金塊一つと、まさひが採掘した大小がそれぞれ一つずつという結果になっていた。
二人は採掘の結果よりもその金塊が一体どれくらいの価格になるのかを夢中で、当初の目的だったまさひの新武器を購入する為の準備金に少しでもなれば良いなという話で盛り上がっていた。
葵の結果は、中が二つに大が一つと中々優秀な成績で、
「さすが、葵。採掘の才能があるんじゃない?」
と、褒められて鼻高々である。
迷宮から外へと出ると、お互いの挨拶が始まり、
「突然の迷宮の誘いに乗って貰ってありがとう」
「こちらこそ、技能の入手方法を教えて貰いましたし」
などとひとしきり終えてから、どちらともなく、
『友人登録良いですか?』
と、切り出して四人がそれぞれを順番に登録していった。
そんな事をしている最中、光の元に香香香からのテキストメッセージが届いた。
『迷宮にいるみたいだから音声チャットじゃなくてこっちにした』
という始まりのその文の最後には、
『武器が完成したから、また私がいる時に連絡ください』
そう書かれていた。
その後、まさひたちの好意で新町まで技能で送り届けて貰って二組はパーティーを解散した。




